北千住の「ブラッスリー・ロノマトペ」さんが通し営業で持ち帰りもやっているとのことだったので、この日はお菓子を買って帰ることに。
こちらのギラつきを感じるタルトなど、パリの風の吹きそうなお菓子はとても好みなのですよね。
紅まどんな(オレンジ)のタルト。
アーモンドクリームの生地にスライスした紅まどんなを乗せて焼き上げてあります。
皮付きで粒感を感じるようなアーモンドクリームが風味豊か。
紅まどんなというと「みかん」というイメージだったのですけど、こちらは「オレンジ」として使っていらっしゃいます。
皮付きで使われているのを食べるのは初めてだと思います。
ゼリーのような食感が魅力の紅まどんな。
その質感を感じられる厚めのスライスがいい感じ。
アーモンドに染み入るビターなオレンジの味わいもまたいい感じ。
オレンジに比べると皮が薄いので、水分がほどよく抜けて引き締まってビターさと香ばしさがよく出ています。
繊細さの感じられるオレンジのタルトで大変面白い1品でした。
いちごのタルト。
こちらもアーモンドクリームの生地ですが、上に乗っているのはフレッシュないちご、そしてローストしたナッツ。
いちごは少しマリネした感じもありますが、基本的にはフレッシュな味わいそのものの感じ。
しゅわっと消えて香りが残るのですけど、ナッツの香ばしさとまったく違った方向性の後味が残って面白いですね。
ナッツの中でもピスタチオがやはりフルーツとナッツの間をとりもつような中層的味わいで、欠かせない役割を果たしているように感じられました。
こういうタルトは生地とフルーツが分岐してしまいがちですけど、こちらはアーモンドの味がいいからか、しっかり最後まで生地がいちごを捉えて離さないような味の構成が面白かったです。
グリオットチェリーの入ったガトーバスク。
焼き上げが渋い!グリオットチェリーも、かわいいというよりは渋さを演出している感じがあります。
アーモンドの生地の中にカスタードクリームとグリオットチェリー。
生地部分が比較的薄めで、こんなにバキッと焼かれているのは珍しい気がします。
薄い分、全体がの質感の割には火が入るのが早いのか焼き色はそれほど深すぎないで済んでいるのかも。
背中はかなり深く焼きが入っていました。
焼き菓子ってこの「かっこいい」感覚が結構ポイントだったりするのですよね。
メリハリが効いて、力強いガトーバスクでした。
何となくふにゃっとしたものに当たることも多いお菓子ですけど、目指す方向がはっきりしていて腑に落ちる美味しさでした。
このお店が身近にあるのは本当に頼もしい限りだな!と思いながら、ごちそう様でした!