この日も「サンラサー」さんが期間限定出店している西武渋谷の「偏愛食堂」さんへ。
前回はランチのあいがけカレープレートをいただきましたが、今回は夜メニュー狙いです。
通し営業で15時からディナータイムになっているので、ちょうど15時頃に訪問。
お店の方もちょっと戸惑うくらいの時間間隔で、夜メニューの「スパイス海鮮鍋」を注文しました。
テーブルの上のメニューをズラすと、IHヒーターが登場。
さっそくスパイススープの入ったお鍋が温められていきます。
ゆっくりと沸き立つ鍋。
お鍋が温まる前に具材など鍋セットも登場。
魚介は牡蠣、タラ、白子。
野菜はネギ、えのき、舞茸、エリンギ、見えていませんが、ミニトマトと水菜。
こちらはコリアンダーベースのスパイシーソルト。
味が足りないときに使ってよし、味の変化に使ってよし、手持無沙汰なときにそのまま食べてよしの万能アイテムだそうです。
早速具材を投入してグツグツ煮えるのを待ちます。
新鮮な魚介を煮すぎぬよう。
仕上げにミニトマトにさっと日を通したら完成です。
このタイミングでマスクを外したら、凄まじくスパイシーな香りが広がっていたことに初めて気が付きました。
スタッフさん曰く「向こうの方まで香ってきている」のだそう。
タラも白子もぷりっぷりで引き上げることに成功しました。
ひとり鍋は集中力がモノをいう料理であります。
牡蠣も大振りなサイズでとろんととろける舌触り。
決して辛さではなく、スパイスはさわやかに、旨みを強調するように風味を加えます。
スパイシーソルトもパラパラと。
まずパキパキと食感が小気味良くなるのが印象的。
さらにコリアンダーのさわやかな香りが鼻からスンスンと抜けていきます。
ひと通り食べ終えたところで追加具材を検討します。
曰く、「この中に鍋のスープを1ランク上のレベルに引き上げるアイテムが2つあります。何でしょう?」と聞かれて、「ホタテ!」と元気に答えましたが、正解は「氷室豚しゃぶ肉」と「牡蠣バターソテー」でした。「ホタテも惜しいけどね」と言ってくださるのが「サンラサー」さんのやさしさ。
というわけで氷室豚しゃぶ肉を追加して、1ランク上のお鍋に。
店主さんイチオシのブランド肉で、お店でもローストポークにするなどして提供されていますね。
しゃぶしゃぶ用というにはかなり厚みのある切り方で、スパイスの強いスープに負けないようにしているそう。
なので入念にしゃぶしゃぶしゃぶしゃぶを繰り返して火を入れました。
生肉の状態では脂身が目立っていましたが、火が入るとほどよく脂が落ちて身が存在感を増します。
とはいえ口に入れると甘い甘い脂が内側から口全体を覆うような味わい。
そこへさらに力強い噛み応えの赤身が、ぎぎぎ、ぎぎぎ、とパワフルな旨みを放ってきます。
あの香り高いスパイススープを見事に風味付け程度に抑え込む圧!味の圧!
そして迷ったら両方というのが原理原則だと言われて久しいので、牡蠣バターソテーも注文してありました。
ひとつはそのまま食べて、残り2つは鍋に投入するようにとのご指示。
めちゃめちゃ大きな牡蠣が、ぷりっぷりに膨らんでいます。
見るからに香ばしいバターのソテー層が、内側から溢れ出そうになった牡蠣のエキスを全部受け止めて、舌に触れた瞬間に牡蠣!美味い!です。
舌にバター!牡蠣!美味い!
そして2つ目からは指示通りに鍋へ入れていきます。
背徳感…指示通りだから…止むを得ない…指示通りだから…
じゃぼん。
むわんっと、めっちゃバターの香り。
そして鍋に入れるのはもったいないとさえ思った牡蠣バターソテーでしたが、香ばしさを湛えたままのビジュアルで生還。
そして何より、このバターの油が浮かぶスープが何よりの成果です。
牡蠣もスープも最高の味。
そして豚とバターが加わってより濃厚に煮詰まってきたスープ。
これがポイントです。
〆の小ライスに…、
かけちゃう!
濃厚すぎて思ったより沈んでいかず、上にどさっとかかった形。
これを食べるときはかき混ぜて馴染ませていきました。
バターを入れて詰めてあるせいか、インドというよりフランス寄りのソースに近いイメージ。ソースエピス感です。
豚の甘い脂、魚介、そして野菜の出汁が主張しながら、バターで一気にまとめ上げた複雑ながら分かりやすい美味しさのソースでした。
ここまでの工程が懐かしく思い出される、鍋の〆に相応しい1杯でした。
というわけで、一人鍋でしたが終始楽しく過ごすことができました。
次は東新宿で!とご挨拶して、ごちそう様でした!