途中寄り道も挟みつつ、清澄白河のイタリアン il tramさんへ。
このところおひとり様でもなかなか予約が厳しくなってきましたが、2月は何とか滑り込めました。
ただ、お店に入るとご主人から次月以降2か月は全て埋まっているとのお報せが・・・。
すごいですねえ。
ガス入りミネラルウォーター(250ml)(500円)。
少し歩いてきて渇いた喉を潤します。
天然系の炭酸は、刺激ではなくあくまでも快感。
爽快でございます。
伊達男に見守られながらいただきます!
インカのめざめのズッパ 半熟卵 グリュイエールチーズ。
お店の定番、素材の味を活かしたズッパに半熟卵、チーズを卸して、印象的にトリュフオイルが香ります。
黄金色がまばゆい北海道のじゃがいも、インカのめざめ。
やさしいやさしいほくほくの甘み。
粉砕してズッパにしても、おいもの食感は他とは一線を画すやさしさです。
ズッパ自体味がマイルドで、半熟卵は蛇足かな。
グリュイエールもやたらと塩気が立っていたように思います。
シンプルにズッパだけで、スタートしてはばっちりだと思うのですけど。
いやまあ満面の笑みで満喫しますけどね、満足しますけどね(笑)。
イタリアンでもフレンチでも、こういう素材ストレート系のスープを出すお店はそれ目当てで訪問したくなったりするのですよねえ。
今月も美味しかったです。
たまたまかもしれませんが、今回のフォカッチャは結構水分を持たせてあって穏やかな香りでした。
パン食べ歩き的な視点で見ると国産小麦っぽい感じというか。
パンそれ自体としては味が弱いのですけど、食事に合わせるパンとしてはこれもありかもしれません。
何か変更点があったのか、誤差なのか、次回が楽しみです。
自家製モッツァレラ。
1回聞き返しましたが「自家製」で間違いないそうです(笑)。
シチリアの海の塩でシンプルにいただきます。
ややブッラータ寄りでクリーミーなところもある感じ。
滑らかな舌触りと濃ゆいミルクの甘み、旨み。
こんなん自分出来るなら、毎日作ってしまいそう!
なんて思いましたが、pHや温度を測りながら3時間付きっ切りで作られるのだそう。
いやいや、ごちそうさまです。
先月はズッパに使われていたオニオンヌーヴォー、今月はパンナコッタで登場です。
今回のセミドライトマトは旨みがしっかり。
ふわりやわりと、か弱い口どけ。
そしてそこから想像も付かないほど力強い甘み、味っ濃いっ!
オニオンヌーヴォーに1番合う調理法なのではないかと感じるほど、食感と味が化学反応を起こして魔法のように味が広がります。
これまで定番でかけてあったバルサミコは今回ありませんでしたが、これは正解。
玉ねぎだけで味が完成されています。
続いて、次の料理用にハーブが登場。
サルシッチャのフィルム蒸し マッシュルームと大黒しめじ 香草風味。
こちらもil tram定番の演出。
発表されたメニューでは平目となっていましたが、この日は自家製のサルシッチャだそう。
開くと京都産だという大黒しめじが、この存在感。
ソースはマッシュルーム、しめじの香りがドシッと乗っかります。
シェフはきのこがお好きなのか登場機会が多い印象ですけど、食感にしても味にしても引き出し方が様々で侮れない、気が抜けない。
サルシッチャはフェンネルとニンニクで香りよく、ブリッとした食感、肉の味。
ソースをしっかり絡めていただきます。
ニョッキも利用して、余すことなくソースを堪能します。
ハーブも忘れずに!今回ベースは地味な色の料理が多いですけど、華やかなアクセントが入りますね。
ちょっと強すぎる香草の主張、そうきたかとちょっと意外な魅せ方。
宮崎産黒毛和牛スネ肉とスペルト小麦のラグー リガトーニ。
こちらもパプリカで色を添えます。
チーズはペコリーノロマーノでしょうか、比較的塩気があります。
これまでの印象と比べるとちょっとクタッと火のしっかり入ったパスタですが、リガトーニはソースの絡みが抜群ですよねえ。
お皿からちょっと離れたところからでも赤ワインの香りがグッと感じられます。
赤ワインを意識して食べると、バルサミコの酸味にちょっと驚かされます。
ポルチーニは香りはほどほどですが、ぬるんとモツのコラーゲンにも似た食感がクセになりますね。
赤ワインと黒毛和牛のスネの出汁がお互いの香りを、旨みを、甘みを引き出し合って、
シェフ!スプーンを!さっき下げたスプーンをもう1度!
ちょっとイメージよりはさっぱりした感じだったのですけど、これもしてやられたというか。
今回はひとひねりで随分楽しませていただいた気がします。
ランチに付くプチドルチェ、今回はジャージー牛乳のアイス。
軽いコク、ミルキーな味わいを感じさせつつ重たさのないアイスでした。
ジャージー牛乳を使ったデザートってもともとすごく好きなのですけど、今回もとてもハマりました。
また食べたいです。
生姜の紅茶。
最後にハーブティーをいただきます。
もうかなり予約が困難になってまいりましたが、頑張って電話しなければと改めて感じさせられました。
おひとりで大変そうではあるのですけど、料理を作ることが本当に好きなことが伝わってくるのですよね。
月並みですけど、もっとシェフのお話を聞いて、もっともっとシェフの生み出す料理を楽しみたいと、強く感じました。
今月もありがとうございました!
ごちそうさまでした。