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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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八丁堀の「ステッソ・エ・マガーリ・シック」でタリアテッレ・パパリーナ、無農薬サラダと前菜の盛り合わせ他。

ランチは予約してあった八丁堀の「イタリアンの新店」へ。
 
新店というより「リニューアル」と言った方が正確でしょうか。
ミシュランで星まで獲得した名フレンチ「シック・プッテートル」の生井シェフがお店を離れられることになり、新たなシェフを迎えてイタリアンとして再スタートされたと聞きつけたのですよ。
ステッソ・エ・マガーリ・シック。
オーナーでソムリエの星氏が変わらぬサービスで迎えてくださるのもあって、印象は大きくは変わらないかも。
でも変わらないようでやっぱり変わっているので逆に違和感もあってそわそわするかも(笑)。
 
旧店の「シック(洗練されている)・・・かな?」という謙遜のニュアンスを含んだ店名をイタリア語で継いだというところでしょうか。
 
席に着くと、やっぱり「シック」。
年輪が印象的なボードは、木材から選んで加工してもらったのだとか。
 
開店時は僕だけでしたが、ちょっと遅れての時間に予約で埋まっているようでした。
 
注文したのは、本日のスープ、無農薬サラダと前菜の盛り合わせ、本日のパスタ、ドルチェこれにパンコーヒーが付いた平日ランチ限定のコース。
 
内税でサービス料も乗らない2800円の明朗会計でした。
 
まずは本日のスープ。
 
この日はひよこ豆のスープに有機栽培の枝豆。
 
すごくおしゃれ!
器とひよこ豆は同系統のわりと地味な色合いなのですけど、差し色が見事に全体を支配する世界観。
 
ひよこ豆は香りも素朴でやさしいもの。
 
オリーブオイルはちょっと青みとピリッとした辛みを感じさせる主張のあるもので、いいアクセントになっていました。
 
枝豆は「椀だね」というよりは「吸い口」くらいの印象で、浅い火入れのポリッと跳ねるような食感。
 
枝豆の香りがもう少し強いと、味がバシッと決まって印象に残るスープになりそうでしたが、
コースの先頭打者としての役割重視といったところかもしれません。
 
自家製のフォカッチャ、バゲット、丸パン。
悪い味ではないものの、バゲットとフォカッチャはパサついていて状態が良くなかったような。
温め直してはあるので、バターの効いた丸パンは風味よかったです。
 
今回最も楽しみにしてきたのがこちら、無農薬サラダと前菜の盛り合わせ。
 
シック・プッテートル時代にいただいた平日ランチのサラダが鮮烈に印象に残っていて、またいつかいただきたいと思っていたのですよ。
以前のものに比べると「前菜盛り合わせ」色が強くなっていますが、中心はやっぱり無農薬サラダ。
 
契約農家から来た葉物野菜は、肉厚で鮮やかな味わい。
 
トレビスやルッコラの風味が力強くて、グリーンサラダの枠に収まらない幅の広さ。
 
パプリカのマリネ。
 
肉厚で強い甘み。
 
ズッキーニのグリルとモルタデッラ。
 
ピスタチオの香りとグリルの香ばしさ。
 
茄子のマリネ。
 
油をじっくり吸わせて食感はとろり、強めの味付けを飲み込みます。
 
ヤリイカとトレビスのマリネ。
 
レモンの香り。
 
パルマ産生ハム。
 
乾いた香りに落ち着いた旨み。
 
フリッタータにアメーラのソース。
 
卵は香ばしさが印象的、これは白身的な味わいなのかな。
アメーラの強い甘みは、「オムレツにトマトソース」という定番の組み合わせとはまた別物のコンビネーション。
 
ゼッポリーニ。
 
もっちり歯応えの強い弾力に、塩気も強め。
でも青のりの香りが全てを覆っている1品。
 
パスタは自家製タリアテッレ、ソースはパッパリーナ。
 
もうひとつの選択肢は乾麺を使ったアサリのパスタでした。
少し迷いましたが「せっかくなら手打ちパスタがいいかも」とアドバイスいただいてこちらに。
 
初めていただくソースでしたが、エミリアロマーナ州の郷土料理なのだとk。
ソテーした玉ねぎに卵黄、生クリーム、生ハム、説明にはありませんでしたが、仕上げにサマートリュフがかかっていました。
 
たっぷり絡んだソースは泡だってシュワシュワ。
シック・プッテートル時代の泡ソースを彷彿とさせます。
 
サマートリュフは香りこそ軽いものの、ポクポクとした食感を十分に満喫できる量。
 
砕ける瞬間にポンッ、ポンッと香りが弾けます。
 
ソースはイメージとしてはカルボナーラとかに近いかもしれませんが、ずっと軽い味わい。
まったりとやさしい風味ながら、シャープな生ハムの旨みも感じられます。
 
ちょっと安っぽい言い方をすると、ハムと卵、玉ねぎの組み合わせは「オムレツ」っぽさも感じさせるイメージでした。
 
やさしくてどこか懐かしい、ある意味「普通」なのに突き抜けた感動のある美味しさでした。
 
デザートはパンナコッタとセミフレッド。
 
前菜からデザートまで、王道のイタリアンで堂々たる構成でしたね。
 
パンナコッタは、ゼラチンがなかった時代の伝統レシピで作ってあるそう。
卵で固めるため、じっくり丁寧に火を入れる必要があるそう。
 
パンナコッタにしては角が立っているようにも見えましたが、融け方はゆるりさらり、とてもクリーミー。
しっかり甘さがありますが、まろやかな風味で角が取れてあっという間に食べ切ってしまいました。
 
ハチミツのセミフレッド。
 
酔ってしまいそうな鋭いハチミツの香りが印象的。
 
ドリンクはハーブティーを。
6,7種類のハーブの名前を説明してくださったのですが、
「タイム、レモングラス、ミント、タイム・・・」
とタイムが2回出てきたところで覚えるのを断念しました(笑)。
 
3000円以下で大満足の内容でした。
おひとり様だったこともありますが、50分弱で食べ終えることができたので、近所の方はビジネスランチでもギリギリいけるのかもしれません。
 
郷土料理など王道のイタリア料理を提供するコンセプトのようでしたので、定期的に通えばとても勉強になりそうな印象を受けました。
またタイミングをみつけてお邪魔したいと思います。
 
ごちそうさまでした!

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