この日は仕事終わりで四谷三丁目の「珈琲専門 猫廼舎」さんへ。
お店を支えてきたスタッフさんが卒業されるということで、ご挨拶がてら伺ってきました。
ショコラピーベリーをデミタスで。
「猫廼舎」さんがデミタスを出すときにおすすめしている豆のひとつで、デミタスで淹れるとコクと酸味のバランスが絶妙なのですよね。
そのスタッフさんも最初にこの1杯を口にしたことが、ここで働くきっかけになったのだとか。
思えば、2019年の春から「猫廼舎」さんは夜営業だけになってしばらく行きづらくなっていたのですけど、このスタッフさんが入って昼営業を再開されて、それから僕も毎週のように通う習慣ができたのですよね。
おかげですっかりコーヒーへの熱量がより一層増して過ごしてしまった1年でした。
そのせいもあってかコーヒーが絡む素敵な言葉にも精通したので(?)、ある小説の一節を。
「いい人間関係を始めるには、相手がどんなコーヒーが好きかを覚えておくことが大切だと思う」
スタッフさんの最終出勤日に詰めかけた常連さんたちの表情を眺めつつ、こうして人を惹きつけることのできる「相手がどんなコーヒーが好きかを覚えて」おける方だったよなあと妙に納得してしまいました。
そしてご本人が思い入れのあるメニューだからか、僕がどんなコーヒーが好きか覚えていて淹れてくれたからか分かりませんが、大変に味のいいデミタスをちろちろといただいて、背中を押しにきたつもりがむしろ元気をいただいてしまうようなゴキゲンな夜になりました。
ごちそう様でした。