お昼は広尾にあるイタリア料理のお店「メログラーノ」へ初訪問。
たびたびお邪魔しているフランス料理の「Ode」さんのすぐそばにありました。
2皿提供されるパスタや、全国的に有名な滋賀の精肉店「サカエヤ」さんのお肉などが売りのよう。
カウンター席で、手際よくお料理が用意されていく様子を眺めます。
まずアミューズは、ザクロのマカロンと鰯を使った2品。
両方指でつまんでいただきます。
マカロンはゴルゴンゾーラのクリームをサンド、鰯の方は揚げたピッツァ生地にリコッタ、鰯、キャビアの順に乗せたもの。
店名の「メログラーノ」はイタリア語で「ザクロ」の意味だそうです。
続く前菜は氷見寒ぶりのマリネ。
皮目は焼いて、イタリアの魚醤「ガルム」を効かせた味付け。
最初の鰯もそうでしたが、脂のはっきり強いお魚を使いつつ、さっぱり食べさせるというバランス。
皮目に火を入れている点が、意外にも味の軸になっているような気がします。
パンが登場。
ここからソースを拭いたくなるお料理が続きます。
お店のスペシャリテ・トリュフのタルトタタン。
温かいパイの中にクリーミーなポテトと炒めた玉ねぎ、下にはフォンティーナチーズのソース、上にはトリュフのアイスと削ったトリュフ、そしてその中に忍ばせるようにポテトチップス。
温かさと冷たさ、甘さと塩気のコントラストの振れ幅を楽しむ1皿。
トリュフのアイスは塩気を効かせた仕上がりになっていたので、甘さのバランスはどこでとるのかと思いきや、炒めた玉ねぎが強い甘みを放っていました。
キャラメリゼしたパイ生地の濃厚な味わいとチーズのソースの相性も抜群です。
パスタ1皿目はヤリイカとカラスミのパスタ。
シンプルなオイルベースのパスタですが、ニンニクとカラスミの香りのダブルパンチはシンプルでこそ魅力を発揮しています。
ガシッとパスタに絡んで層を成すカラスミ。
ヤリイカの、ぷっちんとソフトな弾力、それからパスタの強めの食感と、歯応えのバリエーションも楽しい1皿でした。
お皿に残ったカラスミの香るオイルを拭っていただくパンも逸品。
香箱蟹のパスタ。
蟹身、内子、外子がごそっと入っています。
ちょっとだけクリーム。
パスタは細めだけど角が立っていて平打ちのジャンルなのでしょうか。
ほぐす作業がないとはいえ、美味しい蟹を食べると言葉を失います。
1皿目もそうでしたけど、食感と味のポイント作りや、パスタにまとわせる味わいの一点突破な感じのシンプルな味の良さが際立っていました。
お肉は3種盛り。
奥が沖縄の経産牛、手前は左が近江牛のハツ、右が地ビーフ。
添えてあったポテトが甘みが強くてとてもいい味だったのでお肉を差し置いて「美味しい!美味しい!」と言っていたら、北海道のさやあかねという品種だと教えていただけました。
沖縄経産牛は2か月半熟成とのこと。
これだけ脂があって、それだけの長期熟成。
他店でいただいた「ビヤンド・デ・グリゾン」を思い出すような黒々とした赤身は、脂身とのコントラストが緊張と緩和。
近江牛のハツにはレホールのソース。
なまめかしい歯切れ、味わいに、意外とコクがありつつ土気があってさわやかさの残るソースがよく合います。
地ビーフはやわらかめではありつつも、赤身肉らしい噛み応え、旨みの強さを堪能できました。
ドルチェはキャラメルのアイス。
芯までソフトに調整された温度管理が好みの感じ。
食後のドリンクはカモミールティーでお願いしました。
初訪問だったのですけど、代わる代わるスタッフさんが気さくに話しかけてくださるなどして、スタイリッシュなイメージの反面、アットホームに楽しめるお店でした。
何度も通ってシェフとお話できるようになったらもっと楽しそうだな!と思いながら、ごちそう様でした!