ずっと行きたいと思いながら伺えていなかった「白金台珈琲 Kuromimi Lapin」さんへ。
日曜定休ということで土曜の訪問を狙っていたのですけど、スケジュールがなかなか合わなかったのですよね。
店主さんのこだわりにこだわり抜いた豆の仕入れトークをSNSで拝見して、ぜひその1杯を、そのお店を味わってみたいと思っておりました。
注文したのはパナマ(ベルナルディナ農園・カツアイ)。
初訪問にして店主さんのこだわりトークを聞けるものなのかは分かっていませんでしたが、独り言か従業員の方との会話かと思って聞いていたところからみるみるうちに引き込まれて、気付けば店内中を巻き込んだコーヒー談義に広がっていました。
質の高い、いわゆる「スペシャルティコーヒー」の豆を使うお店は、豆本来の味わいを前面に出すために浅い焙煎を選ぶことの多いイメージがありますが、こちらのお店は比較的深め。
コーヒーらしいビターな味わいの中に、華やかさやフルーティーなフレーバーを感じます。
伺うと、店主さん自身の最初に出会った美味しいコーヒーは深煎りだったため、自分の中でイメージする美味しいコーヒーは深煎り寄りだが、その中で豆の味を表現すると今くらいの焙煎になるという話のよう。
「結局他の人の"美味しい"は分からないから、自分が美味しいと思うものを出すことしかできない」というお話で、これはとても納得のいくものでした。
極限まで最高品質にこだわった豆を仕入れて、自分が1番美味しいと思う焙煎に仕上げる。
シンプルな話ながら、美味しいを突き詰めたお店だなあと感じました。
チーズケーキ。
メロンと生クリームが添えられています。
フルーツは季節のフルーツということなのかと思います。
水分の抜けた焼き込みで、濃厚さと素朴さが併立した味わい。
軽いクセのある風味と、乳脂肪のコクが、コーヒーにない要素を補って、余韻の香りを引き延ばしてくれている印象です。
シンプルで無駄のない、コーヒーを一段階引き上げるようなチーズケーキでした。
豆へのこだわり、自分が美味しいと思うものを出すという信念。
コーヒーには無数の選択肢があって、ただひとつの正解を目指すものではありませんが、店主さんの軽妙洒脱なトークの中にあってギラつくものは、コーヒーというものを考えるうえで北極星のように輝く指針になるなと思いました。
また伺うことを固く誓いつつ、ごちそう様でした!