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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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新富町の「鮨はしもと」でおまかせコース15。

大変ありがたいお声がけをいただいて、半年ぶりに鮨はしもとさんへ。
 
秋の夜に輝きはためくオレンジの暖簾。
 
ガラガラと戸を開いてご挨拶。
大変ご無沙汰しております。
 
清潔感のある店内は相変わらずですが改めて見ると、この価格帯のお寿司屋さんにあって、お店の特徴といっても過言ではない"清潔感"というのは相当なもの。
 
もうオープン4年を迎えようというところですね。
 
そうそう、はしもとさんのゴリゴリしたお湯呑が好みなのでした。
 
まずは銀杏から。
 
しっかりめの塩気の、ちょうどよさ。
 
独特の温かみのある香り。
 
パクパクあっという間に食べてしまいます。
 
わさび、塩、醤油。
 
ツマミの準備。
ここも久しぶりなのでハッとしてテンションが上がります。
 
利尻のひらめ。
 
当日の朝締めなのは以前と変わらずですが、旨みがかなり力強くなった感があります。
個体差もあるでしょうか。
 
厚岸のあおやぎ。
 
弾ける食感、ぽーんと弾け出た香りがすーーっと残ります。
 
鰤漬け。
ハラスの部分を使っているのですごい脂で、漬け込み液も弾いてしまうのだとか。
 
鰤の甘い脂をメインに醤油の香りがほんのり。
 
かわはぎ。
 
「おいきもはありません」
と説明があったので、一瞬何かと思いましたが、
 
肝醤油。
「追い肝」、つまり追加の肝醤油のことでした。
 
ご主人が突然真面目な顔でおっしゃったのがじわじわきました。
 
かわはぎは身自体に脂があって、しっとり。
 
かわはぎを食べ終えたら、シャリとスミイカを投入してくださいます。
 
追い肝はできないということなので、節度を守って食べ進めます。
 
肝の脂は旨みが強烈でくどさや重さは感じません。
 
イカもシャリも食われます。
 
鱈白子出汁ポン酢。
"出汁ポン酢"なのがよいですね。
 
出てきた瞬間から明らかに鱈の出汁。
 
白子の濃厚さが勝りすぎず、出汁ととけ合います。
 
つんと少量のポン酢。
 
茶碗蒸し。
 
毎度内容が大きな楽しみの1つですが、今回は牡蠣とのこと。
 
この赤いのは…?
 
見た目にも食感も認識できる状態で入っているのですが、全く判別できなかったのでご主人に伺うと「トマト」とのことでした。
 
牡蠣は胡椒をビリリと効かせてオリーブオイルで炒めてから使ってあります。
 
かなりイタリア料理に寄せた仕上がりだったわけですね。
とても面白かったです。
 
定番のあん肝と、筋子味噌漬け。
 
これもまたちょうどいただきたかったところ。
 
ねっちりまとわりつく筋子。
 
パッチンパチンに弾けます。
 
甘く炊いたあん肝。
 
あん肝の旨みが甘みと重なってコクに。
 
お湯呑み。
 
やや丸みを帯びたつぼ型。
 
今回の焼き物は柳ガレイ。
 
一夜干しになっているので水分が抜けてパリパリです。
 
エンガワはお煎餅のように香ばしく。
 
薄いながら身はふんわり。
 
卵も抱えていました。
 
合わせてコラーゲン質で濃厚なすっぽんのスープ。
中華系の味わい。
 
各種部位の入ったすっぽんの身も堪能できました。
 
焼き物が終わったらガリ、おしぼりが登場。
 
ここから握りがスタートです。
 
キリッと辛みの立つ、それでいてキツさのないガリ。
 
ポリポリ食感も小気味良いです。
 
一貫目は定番の小肌。
佐賀のもの。
 
脂が乗って〆は浅め。
すっきり酸味の後味の中にも、しっかり小肌の脂の味が残ります。
 
真鯛。
鹿島のもの。
 
ミルキーな脂、皮目がほんのりコリコリ。
昆布みたいな旨みはグルタミン酸ということでしょうかね。
乳脂と旨みの組み合わせは、コンテとかそういうチーズを思わせるようなイメージ。
 
最終的にこの日イチの印象を残したのがこの1貫でした。
 
続いて北寄。
内側だけ一瞬火を入れてありますが、ほぼ生。
 
甘~くやわやわな食感でした。
 
まぐろはまず赤身漬けから。
 
酸味のある軽い味わい。
季節の変わり目ではありますが、この個体はまだ夏のまぐろ寄りなのかも。
 
中とろ。
こちらはほどよく脂が入っていますが、それでもやはり酸味を感じますね。
 
ひらめ昆布締め。
1週間くらいとのこと。
 
舌の上でほぐれるもろさ。
最初の朝締めのものももちろんいいのですけど、旨みの強さでいうと段違いです。
 
握りは中盤へ。
 
かます。
仕上げの炙りで香りが立ち上ります。
かまるの脂は火が入ると別次元の魅力を発揮しますからねえ。
 
序盤でこちらの作業をしていたまぐろは…
 
剥がし。
大とろの中でも蛇腹状に筋の入った部分を、筋から剥がしたもの。
 
ふわんふわんにやわらかいです。
酸味はほぼなく、ご主人曰く「背上に近い方なので脂の種類が全然違う」とのことでした。
 
ちなみに"剥がし"に使っているヘラ状の道具は、ウニを箱からすくい出す用のものを転用しているそうでした。
 
鰆。
藁の香りを付けて燻してあります。
 
こちらもまるでチーズのようなコクのある旨みが印象的。
 
鯖。
個人的にとてもいい印象を持っている八戸のもの。
 
しっかり深く〆てありますが、きめ細かく回った脂で全体にはマイルドな風合い。
 
車海老。
今回は火入れが浅くて、身の味はそれほど出ていなかったように思いますが、味噌の味がかなり濃厚でした。
 
うにはいくらと合わせて登場。
 
ミニミニうにいくら丼という感じ。
 
うにはバフン2種。
ひとつは昆布森、もうひとつは浜中の養殖脱走兵。
 
養殖抜けの方がかなり鮮烈に甘みが強かったです。
 
穴子、
身が締まって、甘みを全面に出したツメ。
 
はしもとさんの穴子はシャープな印象ですね。
 
最後は、すっきりしたお湯呑み。
 
追加で鰤漬け。
鰤の凄まじい脂から垣間見る、辛子の香り。
 
角煮に辛子を付けるのに近いかもしれません。
 
あと真鯛もお願いして追加は終了。
 
デザートの玉子。
 
見た目よりレアでしっとり。
 
しじみの強い出汁と、少しだけ味噌もお使いなのですけど、多分味噌は塩味はそれほどでもなくて「香り付け」くらいの印象なのが面白いです。
 
最後のお茶。
 
久しぶりの訪問で、想像していた以上に色々なことを忘れていて、初訪問時のように興奮しながらいただくことができました。
 
「そうそう、茶碗蒸しが楽しみなんだった」
「小肌!一貫目は小肌か!」
 
などと、最初のころの感動が蘇ってきました。
 
やはり最高でした。
ごちそう様でした!

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