この日は急遽お誘いいただいて清澄白河のil tramにやってまいりました。
6月は予約が取れず諦めていたので願ったり叶ったり、お誘いくださったAさんに感謝です。
夜の訪問も、複数名での訪問も久しぶりです。
ランチタイムとは打って変わってやや暗めのムーディーな店内でございます。
夏場なのでまだスタートは外が明るいですが、皿が出るにつれて煌々と灯るテーブルの蝋燭が明るさを増して感じられます。
各々ドリンクを注文。
シェフのアドバイスに従って「飲まない組」はガス入りのお水をボトルでシェアさせていただくことに。
今回のフォカッチャはイタリア産小麦100%とのことで、かなりガサッとした印象。
水分が少ない分料理と合わせるのに合っていて、穀物の素朴な香りが立って感じられました。
新玉ねぎのズッパ 温泉卵 クルミのオイル。
1人分に中玉くらいの新玉ねぎを1つ分使っているのだそう。
飴色玉ねぎの甘みをストレートに。
みなかんに触発されて丁寧に割った卵の黄身がこちらでございます。
クルミのオイルは今回初めていただいたと思いますが、正直よく分かりませんでした。
こちらではトリュフオイルを使われることが多くて、そのインパクトが強いのですよね。
ブッラータ 緑豆。
最近定番のこの器。
上から覗きこんで見ますと・・・、
彩り鮮やか・・・♪
何度挑戦しても写真泣かせといいますかこの魅力を伝えきれないのですけど、要は「お店に実際食べに来てね」ということかも。
水牛のブッラータ、豆の甘さを思い知るピュレ。
ちびり、ちびりとブッラータを千切るようにいただくのですけど、もったいないと思いつつも大きめに頬張ったときの美味しさは段違いですね。
初鰹 カリフラワーのピュレ ラディッシュ ボッタルガ。
鰹の腹身にラディッシュのスライスを乗せてボッタルガ、アーモンドダイスを散らしてあります。
そしてカリフラワーのピュレ。
この鰹、この厚み・・・あれ?どこかで見たこと・・・?(笑)
初鰹らしい爽やかな酸の香りと、腹身の脂。
距離感があるようにも見えるカリフラワーのピュレですが、違和感なく鰹の角を撫でるようにまろやかな味わいを残します。
そもそもこのピュレ自体だけで美味しいんですよね。
思えば1年前の6月にこの料理をいただいたのが初訪問だったのですよね・・・あれから1年。
巻いて厚みを持たせることでよりふっくらしっとりと仕上がっています。
カマス自体よく脂が乗っていました。
相変わらずジャンルを見失う一皿ですが、組み合わせや調理法の面白さを改めて考えさせられます。
チコリの1時間ロースト ゴルゴンゾーラ・ピカンテを添えて。
今回もベルギーのチコリ。
この料理が出ると各々まずひとしきり感嘆の声を上げた後、食べ始めるとみな黙々と味わうことに集中するのですよね。
苦み、エグみを備えたくぐもった味のチコリ。
奥深いところに旨みや甘みも感じますが、何度いただいてもなぜ美味しく感じるのか分からない不思議な美味しさ。
そしてピターッとハマるのがこのゴルゴンゾーラ。
チコリとゴルゴンゾーラでもう完全無欠!かと思いきや、松の実だけ最後に入り込む余地が残っていて、これまたハマります。
仔羊のアマトリチャーナ タリオリーニ。
シェフには珍しいトマト系のソース、そして今回は手打ちのロングパスタ。
ほどよい火入れの玉ねぎがとろり、歯応えの強い仔羊から出る旨みはトマトソースにも浸みているので全体が馴染み良い味わいです。
贅沢仕上げのペコリーノロマーノも味の爆発に勢いを付けます。
もっちりしてパツンと切れる手打ちのパスタ、粉の香りと噛むほど甘み。
ソースの味に合わさって、層を一つ増やします。
正統派に個性も入って、優等生に美味しいパスタでした。
仏産合鴨のロースト 焼トウモロコシのピュレ。
これで最後の一皿と思うと寂しくもありますが、テンションは最高潮。
トウモロコシのピュレの黄色が肉料理のソースにはちょっと珍しい気がします。
歯応え十分、この日はやや火入れが甘かったようにも思いましたが、香りよく味は濃かったです。
肉料理と甘いソースは定番ですが、トウモロコシの甘さというのはちょっと方向性が違って面白いですね。
穀物の甘みということで、オンザライスして食べる感覚にも少し近いのかもしれません。
この粒の量・・・そして潰してソースにも使っていることを考えると、シェフは一体何本のトウモロコシを仕込んだのでしょう・・・(^^;)
毎度毎度シェフには頭が下がる、もはやひれ伏すばかりの気持ちです。
この日も美味しく、そして楽しく過ごすことが出来ました。
みなさんに感謝感謝です。
またよろしくお願いします―♪