一旦帰宅して時間をつぶしてから、夜は清澄白河へ。
今月は久しぶりに"ヨルトラム"、ディナータイムのイルトラムさんへやってまいりました。
7月はランチをお休みするかも…というお話で夜の予約にしましたが、結局お昼も営業なさっていたようですね。
近況報告などしつつ。
最近お店からアレがなくなった話や、ソレがみつかった話。
アノ方がいらっしゃった話や、アノ方はいらっしゃっていない話。
お店で出しているワインの話などもとても興味深かったです。
夜の懸念は何といっても光量。
夏場の夕方は明るいので、スタート時点ではそれほど暗さは気になりません。
しかし「段々暗くなっていきます」とシェフがにやり。
ならシェフ!ほら!明るいうちに始めちゃいましょ!
平日のディナーは早い時間に一斉スタートとはいかないようで、この日は予約で全席埋まっていましたが(席によっては2回転)、オープン時はカウンターだけでした。
ではでは、いただきます。
ドリンクはサンペレグリノ。
イタリアンで定番のガス入りミネラルウォーターですね。
フォカッチャをいただいて、コースがスタートします。
トマト・梅・大根の冷たいスープ。
イルトラムさん、夏の定番メニューですね。
梅の香り、トマトのソルベの甘み。
底に沈んだ大根がシャキシャキ、みずみずしくてさっぱり。
ソルベはトマトの甘みだけだそうですが、とても甘くて驚きました。
ブッラータ カリフラワー マスタードスプラウト。
カリフラワーのソースは、繊維質残さずまったりクリーミーなもの。
珍しく少しミルクも使ったそうですが、味とか食感ではなくあくまで「白さ」を出すためなのだとか。
ブッラータが真っ白なので、カリフラワーそのままの色だと「くすんで」見えてしまうのだそうで。
ソースを真っ白に仕上げた分、レモンの香りを付けたオイルの黄金色が映えますね。
香りもくっきり。
トマトやニンジンのソースのときと比べると甘みは控えめ。
素朴ではありましたが、落ち着いた土っぽい香りがとても好みでした。
岩牡蠣 昆布 胡瓜 ミルク。
浅く火を入れた岩牡蠣に、ミルクの泡、昆布出汁でマリネした胡瓜。
昆布出汁は磯っぽさは前面に出ず、旨み旨み、とにかく旨み。
胡瓜の青っぽい香りも違和感なく収まりのよい味わいに。
ピンクペッパーもバシッと決まっています。
面白いのが、オイルと昆布の旨みにミルクを合わせると、まるでバターのようにふくよかなソースが完成するのですよね。
これ、とても面白かったです。
かなりレアな火入れの牡蠣。
ぷちゅっと弾けて、強めの磯の香り。
カマスのロートロ 緑豆。
おろして巻いて焼いたカマスに、空豆のソース、イタリアのグリーンピース「ピゼッリ」。
巻くことで、魚にはない厚みが出るのでナイフを入れた瞬間に湯気がむわっと立ち上ったのは去年までの話。
今年から塩をしてしっかり水分を抜いてから使っているそうで、締まった身とシャープになった魚の旨みが印象的でした。
ピゼッリはクセがなく、まろやかな甘み。
チコリの1時間ロースト ゴルゴンゾーラ・ピカンテ。
大分暗くなってまいりました。
今月はベルギーのチコリ。
やや小振りですが水分量は多そうで断面がキラキラ。
甘くて苦くていい香り、チコリ。
トウモロコシ フェットチーネ。
見た目はすっかりハルジオン。
しっかりした甘さのトウモロコシ、羊のチーズも甘い香り。
ザラッとした舌触りのソースに、コーンの粒もコロコロ。
もっちんもっちんのフェットチーネの食感も合わせて、ポップなパスタでした。
大山鶏のインボルティーニ サマートリュフ ビーツ。
いつもとちょっと違う肉料理に、ビーツの鮮やかなソース。
これは気合いを入れて写真に収めたい1皿でしたが、明るさ的に完全にタイムアップでしたね。
鶏モモ肉で、叩いた胸肉と軟骨を混ぜたものを巻き込んであります。
型崩れしないようアン肝のように成型して、少しボイルしてから焼き上げるそう。
プリッとジューシーなモモ肉、内側はソーセージのような食感。
モモとムネで、少し香りが変わるところが面白かったです。
そしてソースにクミンの香り、写真では分かりづらいですがたっぷりのサマートリュフも特有の朴訥とした香り。
香りもそれぞれが個性的に主張し合っていました。
いつものシンプルな焼き物で十分素晴らしいのですが、今回の手の込んだお仕事もさすがのクオリティーでした。
というわけで、久々のヨルトラム。
ムーディーに楽しませていただきました。
やっぱり昼が好みではありますが、また別の空気感を味わえる気がするので、たまには気分が変わってよかったです。
ごちそうさまでした!