続いて高はしさんにやってまいりました。
この日は定番メニューの鰆塩焼きの、かまのところを注文。
楽しくお話ししながら待っていると、厨房の3代目から「シントリ」のおすすめを受けてそちらも追加することに。
「シントリ」とは。
鳥貝刺身(800円)。
新物の鳥貝は、旬の時期に獲れたまま冷凍せずに流通したもの。
「無理にとは言わないんだけどさあ。時期が短いんだよ!」
と3代目。
これはありがたい限り、危うくぼやっとして食べ逃すところでした。
身厚があって、ふんわりした口当たりからクニクニした弾力。
甘みと旨みに加えて、春の貝の香りを感じます。
もう春がくるのかなあ、などと薄ぼんやり考えていると"春"は"魚"と一緒にやっていらっしゃいまして……
鰆塩焼き(1500円)。
写真でいうと手前側が腹身に当たるのですけど、やはりここは脂があってカリカリに焼き上がっていますね。
「脂乗り」というより、とにかくお煎餅のように香ばしく仕上がったところに脂を感じるという。
寒の鰆にしては脂は抑えめだったかもしれません。
とはいえ、ボリュームある鰆を強火で焼き上げていますから、表面の焼き固まった内側は蒸されたようにホクホク。
鼻の中から、外から光り物と白身の中間のような、さっぱり酸もありつつ力強い香りを感じることができました。
鰆は、もう結構随分長いこと煮付けでいただけていないので、そろそろいい機会があればなあと思いつつ、ごちそう様でした!