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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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兜町の「Neki」でランチコース(越後もち豚のロースト、平目のポワレ、蛤のお浸し、聖護院カブのポタージュ他)。

以前、緊急事態宣言が出ている際にイレギュラーなモーニング営業に伺った「Neki」さんのランチへ。

 

余裕をもって向かったつもりが、駅からお店までの道が東京マラソンのコースになっていたため大回りして何とかギリギリでの到着になりました。

 

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モーニングは確かシェフおひとり、スタッフおひとりで営業されていましたが、この日は厨房に3人、フロアも3人ほどいらっしゃったと思います。

 

丁寧な接客と、動きもビジュアルもカッコいいシェフ陣。

僕にはおしゃれすぎる店内ですが、居心地よく過ごすことができるのが不思議なところです。

 

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聖護院カブのポタージュ/柚子。

まずはスープから。

 

真っ白なカブのポタージュに柚子の香りのオイルを垂らして仕上げてあります。

 

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まず聖護院カブのポタージュ自体が濃密でリッチな味わい。

カブとバターの甘みがなめらかな質感で舌にまとわりつきます。

 

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カブと柚子という、日本的なニュアンスを漂わせた組み合わせ。

今まで味わってきた料理が蘇って、ちょっと青っぽさやお出汁の風味が頭をよぎるような、膨らみや拡がりのある1品でした。

 

モーニングのときはグリーンピースのスープにオレンジのオイルという組み合わせだったのですけど、このパターンが定番なのかもしれません。

 

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パン(beaverbread)。

モーニングのときと同じく近所の「ビーバーブレッド」さんのパンを使用されていました。

料理を立たせる、旨みメインのシンプルなパンです。

 

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はまぐり/発酵金柑/菜花/芹/チョリソー。

意外な味の組み合わせですが、「蛤のお浸しです」とのご説明でした。

 

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器はかなり和に寄せた趣。

 

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大粒のはまぐりが2つと、ギラリと塩気鋭く仕立てたお出汁、沈めた菜の花は焼きを入れたもの。

さらに生海苔、芹で海と山の青っぽさを加え、発酵金柑のビターな甘みとチョリソーの旨みとちょっとした辛み。

 

かなりの数の階層を感じる独特の味のバランスですが、チョリソーと金柑が合わさったときに収まりのいい調子になっていて面白かったです。

 

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平目/タラの芽/下仁田ネギ/イカスミ。

魚よりむしろお野菜が印象に残るような盛り付けがなされています。

 

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下仁田ネギ、タラの芽は焼いたといよりは、素揚げにも近いような質感。

キャラメリゼのような甘みを引き出した香ばしさになっています。

 

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平目はかなり厚みがありますが、中心までしっかり火を通して脂だけでなく身の風味を味わわせるような調理になっていました。

皮目がカリカリなのも、下仁田ネギやタラの芽と歩調があったイメージ。

 

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手前に木の芽、奥にイカスミのニョッキ。

イカスミとタラの芽というと収拾のつかない味の組み合わせになりそうですが、平目と焼きネギが間を取り持つようにつなぐ不思議な一体感の生まれた1皿でした。

 

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越後もち豚/発酵マッシュルーム/百合根。

こちらも野菜が目を引きます。

 

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低温調理で淡い身色にふっくら仕上がった越後もち豚のロースト。

さわやかで旨みの強い風味がむんむんです。

 

脂身と赤身がしっかり分かれているようですが、しっとり仕上がった赤身の側にもジューシーな肉汁がきめ細かく残っていました。

 

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「小さい大根」という説明でしたが、恐らくパースニップ。

これが驚くほど旨みの強いいい味だったのですけど、質問すると「漬物にして焼いた」という説明だったように思います。

よく聞き取れなかったのを聞き直せなかったのが未だに残念で仕方ないくらい、とてもいい味でした。

 

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前のお皿同様、焼いた野菜の香ばしさ、引き出される旨みを料理の中のキーとなるアクセントに使っている印象がありますねえ。

 

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食後のドリンクはハーブティーにしましたが、コーヒーが入っていそうなカップで提供されました。

 

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ハーブティーというと何となく白いカップでいただくイメージがありますが、違う角度で味わっている気分になって面白かったです。

 

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牛蒡/カカオ/ヘーゼルナッツ/デコポン。

提供されたお皿を見て「この牛蒡みたいなのは何だろう……」と思いましたが、説明を聞いたら牛蒡でした。

 

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ヘーゼルナッツのアイスに牛蒡のフリット、デコポン。

柑橘を合わせるデセールというとカカオ系が定番のように思いますが、やや淡めのナッツと合わせつつ、牛蒡で独特の深みを出すというバランス感。

 

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コースを通して、意表を突く味作りに一貫した魅力のあるお料理ばかりでした。

 

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ヘーゼルナッツと牛蒡って合わせていただいたことはありませんでしたが、ここは無条件によく馴染むのですよねえ。

こういう組み合わせをみつけるセンスはもちろん、粘り強い探究みたいなものも裏にあるのだろうなあと考えるなどしました。

 

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カシスのフィナンシェ。

先にお会計をされたので「お茶菓子はないんだっけな?」と荷物を持ち上げたところで、大慌てで持ってこられました。

せっかちに帰らなくてよかったです。

 

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焼きがやや強めでドライな仕上がりですが、バターの風味をキュンとくるカシスの酸味がさっぱりとされる1品でした。

 

というわけで、モーニングも大人気でしたが、ランチも満席で賑わうのがよく分かる見た目にも味にも魅力満載のコースでした。

また季節の変わったお料理をいただきに来たいなと思いつつ、ごちそう様でした!

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