お昼には家に戻りたかったこの日、徒歩圏内でゆっくりモーニングできればと思って富ヶ谷の「ルヴァン」さんへ。
併設するカフェ「ルシァレ」さんに店内に空席があったのでそのまま着席できました。
ストーブ前の席でホカホカです。
ちょっとメニューが変わったかなと思いましたが、トーストセットにスープ、ケーキ、コーヒーを付ける形で豪華にいただくことにしました。
トーストはコンプレ25かハードトーストから選べたところ、「ルヴァン」さんといえばハード系と思ってコンプレ25をチョイス。
すると「ちょうど同じ生地のカンパーニュが焼き上がったので」とご提案いただいて、カンパーニュを出していただけました。
というわけで焼きたてはちみつバターカンパーニュトーストです。
文庫本2冊分くらいの厚み。
熱々のパンの上でバターが少しずつとけていって、はちみつと絡み合いながらトーストに段々と染み込んでいく設計。
焼き強めお煎餅のような端っこの香ばしさと、もちもち食感で軽い酸味が印象的な内側、そこへバターとはちみつという種類の違う甘みが二重奏を鳴らします。
フォークやナイフがなかったので、手で感触や温度を味わいましょうというメッセージと勝手に受け止めて、指をベタベタにしながらいただきました。うまうま。
スープはにんじんのポタージュ。
上にはディルが乗っていて香りが強め。
でんぷん質をかなり感じるとろみの付け方で、変な言い方になりますが、パンっぽい印象のあるポタージュで面白かったです。
木の実のケーキ、コーヒー。
クリスマス前ということでクリスマスケーキの用意があったので、そちらも追加してみました。
ちなみにこの日はたまたま隣の席に「ルヴァンのコーヒーを焙煎している方」が座っていて、僕が自宅で使っているネルドリップのネル枠をその方が製作していることを存じ上げていたのもあって、コーヒーを飲むときちょっとドキドキしました。
木の実のケーキ。
全粒粉とメープルシュガーのジェノワーズとバタークリームのケーキで、間には洋酒の香るカランツ、側面には大量のナッツが配されています。
ややドライな生地はそれ自体とても味わいの深いもので、アンビベもしっかりしてありそうな華やかな風味がしました。
カランツの強い甘みも効いています。
まったりしたバタークリームは品のよい香り。
側面にはくるみ、アーモンド、ピスタチオなど、様々なミックスナッツがゴロゴロと付けられていました。
ケーキとクリームは華やかな風味が意外と優勢だったので、ナッツとベリーみたいな組み合わせのケーキのような印象になっていました。
コーヒー。
福岡の「珈琲美美」さんの元スタッフで、現在はコーヒーを焙煎したりネル枠を製作したりされている木下隆也さんが焙煎したものです。
調べると月に数日、代々木上原で喫茶も開いていらっしゃるようでした。
甘みを引き出す深い焙煎ながら、ちょっとフルーティーな酸味のニュアンスを残した味のバランス。
ちょっと「蕪木」さんを思い出すところがありますが、蕪木さんがモカに興味を持ったきっかけが「美美」さんのコーヒーだったそうなので、目指すところが重なって然るべきなのかもしれません。
出会えてよかったと思える美味しいコーヒーでした。
「生産者さんの顔が見える」は大事だと思わぬところで思い知った出来事でした。
ケーキ、コーヒーともに素晴らしい満足感でした。
「ルヴァン」さんのパンはもちろんですが、世界観全体が好みに合致しているのだよなあと改めて感じつつ、ごちそう様でした!