お誘いいただいて久しぶりに清澄白河の「il tram」さんへ。
以前と変わっていないようでいて、カウンターに置かれたシェフこだわりのおしゃれな食器が増えている辺りに、らしさを感じます。
味のある革のメニュー。
お料理は基本的に口頭で説明されるので、こちらでは主にドリンクを見ます。
といってもワインのラインナップはシェフの頭の中にあるので、結局これもまた口頭の説明になります。
メニューの下には木のボード。
「軽めの白ワイン」ということでお願いして、この日は珍しくお酒もいただきます。
パンは以前と変わらず定番のフォカッチャを出されているようですが、今回は特別に丸パンも。
生地の配合も変えてあるそう。
夏の定番、トマトの冷たいスープ。
このスープが大好きなので、お店に来られていなかった間は真似して自宅で使ったこともありました。
トマトの冷製スープ。糖度の高いフルーツトマトの皮を剥いて角切り、種を取った梅干し2つ、オリーブオイル、塩胡椒、コンソメを入れてミキサーにかけただけ。仕上げに大根の角切り、大葉のみじん切り。ポイントはキンキンに冷やしてやがること。 pic.twitter.com/koq510i1qy
— 65 (@lockandgo65) 2023年7月18日
要素は基本的に以前と変わらずかと思いますが、盛り付け方は刷新されたようです。
梅をアクセントにしたトマトのスープに、トマトのソルベ、大根、紫蘇。
なめらかなスープの質感に、ソルベや大根の食感がリズムを加えます。
最高。
ブッラータとシャインマスカット。
季節のフルーツとブッラータを合わせるこちらも定番の前菜です。
シャインマスカットと相性のいいバルサミコのソースに、はちみつの甘み、ミルクの濃厚なブッラータと香ばしいくるみという方向性の異なる要素を重ねてあります。
鯖のロースト。
下にはお米のピューレとパプリカのオイル。
皮が焦げつきすぎず、パキパキッと小気味いい食感に仕上がった絶妙な火入れ。
皮を割ると脂が吹き出します。
そこへ合わさるまったりとしたピューレとオイルは、思った以上に甘さを感じるもの。
ハーブを散らして、爽やかさと特徴的な香りを追加。
後半に定番のフォカッチャも登場しました。
チコリの1時間ロースト。
創業当初から変わらずコースに入り続けるスペシャリテです。
チコリは季節や産地によって水分量など特性が異なりますが、あえて焼き方は変えずにチコリの特徴をそのまま活かす形の調理にしているそう。
今回はベルギー産のチコリで、とてもみずみずしいです。
チコリの独特な甘み、渋み、苦みの組み合わせに、これまた個性の強いゴルゴンゾーラが意外なハマり方をするのですよね。
みずみずしいチコリだからこそ、ドライなピカンテが合います。
手打ちフェットチーネ、そら豆とスナップエンドウのソース。
お皿が可愛い。
ぶりんと歯応えのある麺に、ザラッと舌触りを残したお豆のソースがどっしりと絡みます。
お豆の素朴な甘みと青々とした香りを堪能しました。
本日のお肉が登場。
食べたい分量を聞かれたので、通常量でお願いしました。
豚バラのポルケッタ。
豚肉は茨城県の美明豚という銘柄豚。
バラ肉でハーブを巻き込んで、表面はカリッと、脂をよく落として焼き上げてありました。
下に敷かれているのは甘みの強いとうもろこしのピューレ。
夏らしい甘みがありながら濃厚なピューレが、味の強い豚と同格に相対していました。
また別の月のコースもいただきに来なくてはなと思いつつ、ごちそう様でした!