4月16日(火)、久しぶりに三ノ輪の「ビストロ・ルミエル」さんへ。
6月でオープンから2年。
三ノ輪にこんなお店があるの?というオシャレなお店なのですけど(←失礼)、平日夜ながら満席近くまで席が埋まって、すっかり定着しているように見受けられました。
3回目の訪問ですが、初めてのテーブル席。
店内はオレンジの映える割と明るい照明で、気取らない雰囲気でゆったり過ごせるのですよね。
ドリンクはぶどうジュース。
コースはスープ、前菜、メイン(魚or肉)、デザート、コーヒーor紅茶、のルミエルディナーコース(2800円)に。
前菜、デザートは選択肢がありました。
季節のポタージュスープは、春人参。
オレンジピールのパウダーを散らしてあります。
オレンジ、オレンジ、お店のカラーと合わせてオレンジ推しですね。
キヌアのパフ。
クルトンとは違って、軽い香ばしさを加えます。
春人参の淡い香りと、しっかりした甘み。
シェフのポタージュは、とてもバターリッチながら飲みやすいのですよねえ。
パンと、添えられるのはオリーブオイル。
続いては、いきなり出てきて二度見する小籠包。
中にはチキンのブイヨンとトマト。
お皿がちょうどいいサイズなので、スープをこぼしてから食べ始めます。
フランス料理というよりは"洋風"というのが合いそうな、やさしく食べやすい味。
前菜はシェフのスペシャリテのひとつクープグラスに。
野菜のムースに海老、帆立、ウニを乗せて、コンソメのジュレ。
今回のムースは、蕪。
暖かくなってきたこともあって、蕪は甘みよりも青っぽい香りがメインかも。
オリーブオイルを使ってキリッと仕上げてあります。
緩めのジュレの中から現れる、海老、帆立、ウニの食感や甘みが鮮烈。
少し渋みの出たコンソメが、キラキラしたビジュアルに一石を投じる後味を残します。
メインは、まず牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
てっぺんにサワークリーム、周りにたっぷり野菜のガルニ。
スプーンだけでほぐして食べられるホロホロほほ肉に、ワインが香りつつしっかりビターなソースを絡めながらいただきます。
鱸のポワレは、この日はハマグリのソース。
シェフの魚料理は、皮目が安定のバリッと仕上げ。
これが風味のアクセントにもなって、"焼き魚"にも近いニュアンスを残すのですよね。
ホロホロ鶏のコンフィ。
マッシュポテトとアスパラ、椎茸。
鈍い色に黒光りする見た目通り、力強く重みのある脂の旨み。
なめらかながら舌触りながら、粘りすら感じるのですよね。
やや強めの塩気を、マスタードでさわやかに、マッシュポテトでマイルドにしながら食べ進めます。
こちらは追加料金のメニューでしたが、やはり肉そのものの味が別格に感じられました。
そば茶のブランマンジェに塩のアイス、オリーブオイル。
ブランマンジェのコクに香ばしさ、ヒリッと辛みのあるオリーブオイルに、シャープなアイスの塩気。
この日の全メニューの中で最も印象に残ったのは結局これでした。
ち
甘夏のグラニテ、ホワイトチョコのクリーム。
チョコとオレンジなんかは言わずと知れた鉄板コンビですが、より甘さに振れたホワイトチョコに合わせるのはより酸味に振れた甘夏。
甘夏が突き抜ける爽やかさ。
ホワイトチョコというと結構重めの使い方をされることが多いように思いますが、こちらは変化球的で面白かったです。
焼き芋のアイスとフランボワーズのアイス、カシスのメレンゲ。
ペールトーンの色合いがポップ。
お芋のアイスが非常にお芋。
さつまいもがレモン煮やオレンジ煮に合うように、フランボワーズやカシスの酸味がなかなか相性が良いようでした。
というわけで、追加、追加しながら、随分たくさんのメニューをいただくことができました。
途中から奥様がサポートに入られていましたが、調理自体はすべてシェフおひとりのはず。
この品数はとてつもない仕事量だろうなあと感じました。
どれも美味しかったですし、中でもキラリと光るところがあって、とても魅力的なコースでした。
ごちそう様でした!