随分久しぶりになってしまいましたが、「パリの空の下」さんへ。
並び方が変更になっていてドギマギしましたが、開店時間が近付いたらいつものドギマギに戻ります。
クロワッサン。
まずはやっぱり定番から。
焼きたてなので、別袋に入れてくださっていました。
表面の層はパッキパキ、あとはしっとりネットリ。
こちらのクロワッサンは何度食べても、粉とバターの魅力を最大限に表現した料理という感じがするのですよね。
粉とバターの正解ここにあり、という。
パンオショコラ。
成型の違いで食感、味に出る変化を堪能。
ちょっとぽくぽくっとした歯触り。
そして食べ始めると驚くほどにショコラが支配的なのですよね。
もちろん粉とバターも激しく主張があるので、凄まじい味の立体感です。
クイニーアマン。
上2つと比べるとサイズは小振りですが、ズシズシッと重みがあります。
型の中で焼かれて角の立ったところや、波打ったところなど、食感がバラエティに富んでいるのが楽しいです。
上面はところどころ鋭い塩気が舌を突くポイントがあって、味わいも波打つ感じ。
ブリオッシュ・フイユテ・フレーズ。
ブリオッシュ・フイユテのいちごバージョン。
めちゃめちゃ香っています。
ブリオッシュにないフルーテイーな要素がガツンと加わっています。
酸は少ないタイプの風味なので、バターとも一体感があるように感じます。
いちごの風味をバターで増強しているようなバランス。
ノワゼット・ダニョーのサンド(地中海風)。
しっとり火入れされた仔羊に、スパイスで仕上げ。
まふっとしたチャバタから、じゃきっと仔羊の歯切れ。
お肉は、温度が下がった状態で食べることを前提としているであろう火入れで、口に入れてからの右肩上がりの味わいの増幅が凄まじいです。
焼きたての肉料理をそのままお弁当やテイクアウトに回すようなことでは、こうはならないのですよねえ。
カラスガレイのサンド。
この日のラインナップでは高価格帯に分類されるメニューでしたが、魚系は迷わずにチョイスです。
魚はむしろ高価格帯の方が安心感すら感じます。
何となく白身魚のサンドというと皮目を引いたものを想像しましたが、皮目がいい仕事をしています。
皮下の脂の旨みって、魚の中でも群を抜いて魅力がありますからねえ。
ちょっと強めの塩気と、カレイ特有の香りの主張と。
生近海まぐろのサンド。
ボリューミーなまぐろ使い。
淡白な旨みと、まぐろの特徴的な香り。
血合いも入っていて、弾力や旨みの強さに変化があります。
何といってもソースが素晴らしいです。
タルトタタン。
今回は紅玉とはるかを使用とのこと。
はるかは岩手生まれの比較的新しい品種。
煮崩したコンポートになっているのが紅玉で、中央にカットして入っているのがはるかでしょうか。
酸味があることでより整って感じられるりんごの甘み。
生地は朴訥として、粉の旨みがギュッと詰まった感じ。
粉の味も存在感抜群なのですけど、後に残る香りはやっぱりりんご。
りんごの良さをより良く引き出す表現力が凄まじいです。
タルト・フレーズ(あまおう)。
ピスターシュの生地に、大ぶりのあまおう。
食べてびっくりしたのですけど、これで1つのあまおうでした。
ひと口で食べたので、口の中から全身にほとばしるあまおう。
ご覧のピュレの厚みなので、この辺でタルトのバランスを調整しながら楽しむことができます。
香り凄い。
何がすごいって、いちご自体が、ここまで美味しくなるのかというレベルまで魅力が引き出されているのですよね。
表面の質感、中心部の酸味、ピュレでデフォルメされた香り。
そしてこの100人乗っても大丈夫張りにいちごとピュレが盛り込まれても、きっちり自我を保つピスターシュもまた剛健。
余韻にアマレット系の”つぁん”とくる甘い香りが鼻に抜けるのですよねえ。
というわけで、何度いただいても衝撃を受けることが再確認できました。
並んで選んで買って持ち帰って食べる、終始最高に楽しかったです。
また早く行きたいな!と思いながら、ごちそう様でした!