この日はのほほんと過ごそうとしていましたが、「il tram」さんでキャンセルが出ているようだったので予約を入れて馳せ参じてみました。
ギリギリながら2021年の1,2月とここまで押さえられることに。
キャベツのスープ。
シェフと近況報告(というか聴いているラジオの話)をしつつ、合間合間にお料理の説明が挟まります。
キャベツのスープは少しつなぎでお米が入っていそう。
真ん中に盛ってあるのは発酵で酸味の出たザワークラウトのようなキャベツ、パルミジャーノのクロッカンテをスープでふやかしながら混ぜていただきます。
スープはやさしめ、ザワークラウトとチーズがとんがった味で好対照です。
よく膨らんだフォカッチャ。
立てて置くのに苦労しそうなほど膨らんでいました。
ブッラータと苺、ピスタチオ。
味をまとめるのは白バルサミコ。
こちらは前回と同じラインナップです。
案外幅を利かせるポイントはディルだったりします。
苺といい、バルサミコといい、甘いながらもどちらかというと酸味寄りのかなりさっぱりしたバランスです。
続いてお魚料理に使うハーブが先に登場。
お魚は定番のフィルム包み。
多角形になったお皿が可愛いです。
結び目をほどいてフィルムを開くと…、
むんわり湯気と、真鯛の香り。
ソースは蕪でした。
かぶら蒸しのような、青っぽさと甘さを併せ持った香りを放ちます。
ハーブを散らすと熱気と一緒にムンムン香ってきます。
そして噛み応えのあるフォカッチャの、素朴な旨みもこの1皿の大事な要素です。
季節の定番、グリーンアスパラのロースト。
ペコリーノロマーノとカラスミ、そして温泉卵添えです。
季節によってアスパラの産地は変わりますが、この日は佐賀から。
焼きが強く入ったアスパラは、そういう香ばしさが強めに出ています。
噛むと甘いジュースが溢れる春の味。
温玉、ペコリーノロマーノ、カラスミを混ぜ合わせて簡易カルボナーラソースのようにして、アスパラと絡めていただきます。
チコリの1時間ロースト。
トリュフオイルを塗りながら1時間焼き上げるスペシャリテ。
ゴルゴンゾーラ、松の実、胡椒を合わせながらいただきます。。
この日は焼きがやや浅いイメージ。
フレッシュなチコリのエキスが、さわやかに鼻から抜けます。
こういうときは松の実の香ばしさの合うこと。
パスタはタヤリン、ソースはグリーンピース。
仕上げに削ったレモンの皮が強めにさわやかな。
鮮やかな緑を放つソースのグリーンピースは国産のものだそう。
春の甘み。
細麺ながら噛み応えのあるタヤリンは、卵黄だけを使ったタリオリーニのようなパスタで、コクのある旨みを感じる麺でした。
麺の旨みにまたビターさも兼ね備えたレモンの香りがよく合います。
メインは豚の肩ロースト。
マッシュルームのソースにフレッシュマッシュルームをスライスで。
現在ヨーロッパの豚は入ってきづらくなっているそうで、国産の豚を使うようにしているそうです。
飲食店は苦労もあるかもしれませんが、国内の食材にはチャンスともいえるかも。
ムチッと歯応えのある身質に、旨みより甘み強めの脂身。
キノコの旨み溢れるソースや、香りに甘みをはらむスライスのマッシュルームをガバッと飲み込むような濃厚な脂身が印象的でした。
添えられた生胡椒をちびちびと口に入れて、脂身の味わいを一瞬でリフレッシュ。
というわけで、急遽予約しましたがゆったりと過ごせるランチでよかったです。
また3月もこんな調子で伺えれば、と思いながら、大満足でごちそう様でした!