ちょっと間が空いてしまいましたが、冬の魚の美味しい「寿司大」さんへ。
さんま。
昨年はほとんど仕入れがなかったように記憶していますが、今季は2回ありつくことができました。
価格は上がっていますし、いいものは揚がっていないとも聞きますが、さすがに「寿司大」さんが仕入れるものは脂と身の香りともに納得の個体なのですよね。
ちょっと胡麻油を思わせる香ばしさを孕む脂と、角が立ちつつも舌でほぐれるやわさが印象的な食感。
いきなり鮮烈なツマミでスタートしてしまって、この後が不安にさえなるほどでした。
スミクイウオ。
この日の目玉ネタだった1貫。
ノドグロと同じ漁場で獲れる魚で、ノドグロと同じく喉が黒いため「墨を食った」の意味で名付けられたそうです。
味わいも「ノドグロみたいな感じ」との説明がありましたが、ノドグロに近い濃厚な白身の脂と、濃厚なゼラチン質のように口の中にまとわりつく独特の食感が旨みをより強く感じさせていたと思います。
松川かれい。
「松川」という産地が由来という説と、皮目の質感が松の皮のようだからという説と両方あって、漢字はどちらでもいいのだそう。
マツカワとカタカナで表記されていたり、かれいの王様ということで「王鰈(おうちょう)」というニックネームで呼ばれたりもしています。
ソフトでコシのあるような食感、強すぎないまでもはっきりと感じられる脂乗り、そして群を抜く旨みの強さ。
食べる前は、ブランド魚といえど白身だと分かりにくいかな…と思ってしまいがちですけど、圧倒的な味のよさなのですよねえ。
アブラボウズ味噌漬け焼き。
生で食べるとお腹を壊すとさえいわれる強い脂乗りが特徴の魚。
イメージとしては銀ダラに近いと言われますが、それよりもしっかりした身質で、強い脂乗りといった印象です。
表層にじんわり浸み入った味噌の風味、中は甘みの強い脂。
角の焼けた香りもアクセントになって、焼き魚として圧倒的強者感のある1皿でした。
かます。
皮目を炙って、もみじおろしを乗せて。
凹凸の心地よい皮目の独特の質感と、その下にあるゼラチン質の層がくにっとしていい味を出します。
玉子。
熱々の出来たてで出てくるのを、ちびちび小さくカットしながらひと口ずつ食べ進めて温度変化による味の違いを楽しみます。
穴子。
いつにも増してふっくらと高く盛り上がった1貫。
皮目周りの脂乗りもよくて、ツメの甘みが飲み込まれるような旨みの強さでした。
新いくら。
そろそろ終了ということで、こちらも追加。
そろそろ生いくらが切れて冷凍物の時期が始まるのですよね。
生ならではの、ぷぷぷぷぷと淡く弾けるほのかな食感が唯一無二です。
真鯛。
最後の1貫は、寿司ネタの中でもお気に入りのひとつである鯛を。
皮目のコリコリした歯応えと、脂乗りでじっとりととろける身質、その強い旨み。
白身魚の王道のような1貫でした。
というわけで、定番どころから変わったものまで、毎度のことではありますけど、いつにも増して食べたいものばかりを注文することができたように感じました。
大満足でごちそう様でした!