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美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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甘さ控えめというマジックワードに踊らされたくはないけどプリンは甘さ控えめに限るなと思った話。

長々とした小ネタです。

 

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最近プリンをよく食べていて。

 

「なんでプリンばっかり食べてるの」
と聞かれるたび、
「固め打ちです。固めプリンなんで」
と答える毎日です。

 

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さて。

 

「甘さ控えめ」という言葉は、ヘルシーとか「素材の味を」みたいなフレーズと相まって、とりあえず売り文句にしておけばミーハーで流行り物好きな僕みたいな客が引っかかるマジックワードになっています。いつもごちそう様です。

 

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ただ一方で、「甘いもの」として進化してきた、甘いからこそ進化してきたともいえるお菓子の歴史を、我々が自らの贅肉を削ぎ落としたいがために、甘くない方向に逆行させてしまって果たして良いものなのかという葛藤もあります。


贅肉は、お菓子という文化にとって、決して無駄ではないのではないか。というテーゼに悩まされて脳が疲れて糖分を欲します。ブドウ糖をください。

 

そんなことを考えながらプリンを食べているわけではないのですけど「プリンに限っては甘さ控えめがいいのかも」と思ったので、ここに書き殴っておきます。

 

美味しいとは

 

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「美味しい」を研究する第一人者・伏木亨教授(龍谷大)は、著書「コクと旨みの秘密」の中で、美味しさの重要なキーワードである"コク"のひとつの要素として「不均一」というものを挙げています。

 

どうせ口の中に入れれば混ざってしまうのに、なぜコーヒーとミルクは分離していたほうがコクを感じるのでしょうか。おそらく不均一な食品には、時間的・空間的な拡がりがあるのではないかと思います。

 

極端な言い方をすれば、世にある「美味しい料理」をフードプロセッサーで均一の舌触り、味にしてしまったら恐らく味気なく感じますよね。

 

「不均一」という美味しさ。

 

プリンとは

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プリンについては改めて説明するまでもないと思いますが、念のため。

 

基本的には、卵、牛乳、砂糖を混ぜた生地を加熱し、卵のタンパク質の凝固によって固めた料理です。

一般論で言えば、卵や牛乳の風味、絶妙な固さやなめらかといった食感、そして甘みが魅力となっています。

 

そしてもう一つ欠かせない要素は、カラメルソース。カラメルソースのないプリンは見かけない、と言ってもいいほど切っても切れない重要な要素ですね。

 

プリンの均一・不均一

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ここで上記の2項目を合わせて考えてみます。

 

不均一、というのが美味しさの一要素に数えられているわけですが、プリンは均質に混ぜられた生地で作られるもの。

どんなにこだわり抜いた卵、牛乳、砂糖であっても、シャカシャカ一所懸命にかき混ぜてしまえば、理論上は、どこか美味しさに欠けたものとなってしまうことになります。

 

 

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そんなとき。

察しのいい方は既にお気付きかもしれませんが、ここで思い出していただきたいのがカラメルソース。

プリンの良き相棒としてカラメルソース が定着している一つの理由は、味の不均一を生む効果にあると考えられます。

 

要するにここまで長々と講釈を垂れてきたのは、「カラメルソースはプリンの味のアクセントである」というだけの話であります。

 

いよいよ「甘さ控えめ」の話です。

 

カラメルソースは甘い

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プリンは、要素が少なくシンプルな分、各店がひとつひとつの要素に工夫を凝らしています。


カラメルソースも例に漏れず、その濃さであるとか、リキュールで風味を強めるなどで変化を付けて、個性を出してあります。

 

ただ大前提に立ち返ると、カラメルソースというのは、砂糖水を煮詰めたもの。
よく煮詰めようが、お酒を加えようがカラメルソース、すなわち、砂糖は甘いのです。

 

カラメルソースが甘み要素である以上、不均一性を生むには「プリン生地は甘くない方がメリハリが付くのではないか」というのが今回の話です。

 

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卵や牛乳の味が良くない場合や、日保ちを考える上では、プリン生地を甘くする必要もあるのかもしれません。

 

ただ、基本的には。

プリン生地とカラメルソースというそれぞれ均質でシンプルだという特徴をもつ要素が組み合わされたプリンにおいては、カラメルソースと不均一性を構成することになるプリン生地は「甘さ控えめ」であることが美味しさを高めるのが理に適っているように思われてならないのです。

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