神楽坂から四谷三丁目に移転された「珈琲日記」さんへ。
とか言って、移転は2021年なのでもうだいぶ経っているのですけど、移転前からお邪魔したいと思いつつようやくの訪問になってしまいました。
予約制を取っていらっしゃいますが、この日は天気が荒れていたこともあってか、飛び込みでも2時間待ちくらいで案内していただけました。
エチオピア・シャキソ(浅煎り)。
コーヒーはサイフォン抽出で、たくさんの注文を店主さんが手際よくお1人で捌いていらっしゃいました。
この日はお菓子を2つ注文したので、どちらにも合いそうなイメージで浅煎りを注文したのですけど、すっきりした飲み口ながら香ばしさをまとって、ファーストインパクトと余韻の間の中間の味にも深みを感じるバランスのいい1杯でした。
そうこうしているうちにお菓子1品目が登場。
和三盆焼きプリン。
卵は那須御養卵の赤玉、砂糖は和三盆を使用という行けるところまで材料にこだわった1品です。
またプリン断面のきめ細かさやカットの直線美など、一工程一工程をこだわり抜いて懇切丁寧に作られたことが伝わってきます。
カラメルソースにも和三盆を使われているそうで、黒色さえ美しい仕上がり。
そして印象的だったのは、運んでくる店主さんがお皿を傾けないように最後まで気を抜かずに持っていらっしゃったこと。
カラメルソースがお皿の端まで届いていないのはそのためなのですよね。
どこまでこだわるんだ……。
ずっしり重さのある質感で、口に入れるとなめらかにねっとり。
プリンも好みは人それぞれなので、「1番好き」は人によって違うかとは思いますが、「1番いい」はこれなのではないかと思わされるレベルの高いプリンでした。
珈琲日記のいちごサンド。
これでもかとぎっしりいちごが詰め込まれたフルーツサンドです。
いちごの時間限定のようでした。
かなり膨らむまでいちごとクリームを盛り込んでいますが、バランスよく自立しているのが絶妙なところ。
ほんのり甘いクリームと、しんなり柔らかなパン、酸味のさわやかないちごが見事にマッチしています。
この横を向いているいちごが何らかのポイントなのでしょうか。
店主さんからエチオピアの浅煎りがいちごサンドに1番合うと思うとお墨付きをいただけました。
マンデリン(深煎り)。
サイフォンは100℃に近いお湯で抽出するので、深煎りでない方がよさが出るのかと思って1杯目は浅煎りにしましたが、店主さんとお話ししていたらサイフォンに合うように苦みが出過ぎない焙煎を追求しているとのことでしたので、気になっておかわり注文。
確かに、低温でじっくりドリップしたような甘みの感じられる深煎りコーヒーでした。
エチオピア 、マンデリンに、ブラジルを加えた3種は店主さんが現地に行って直接話をして珈琲日記用の豆を栽培して送ってもらっているオリジナルの豆なのだそうです。
「カフェ」のイメージが強かったのですけど、店名に珈琲を入れている矜持を感じるコーヒーのこだわりぶりでした。
サイフォンを選んだのは、自身のカフェ人生がスタートした横浜で馴染みのある抽出方法だったからなのだとか。
確かな歴史と人気がありながら、全く驕らず、完璧を求めた質の高さを追求し続けているお店でした。
絶対また来ようと心に決めて、ごちそう様でした!