「AKELARE」の後、海沿いを観光していたら大雨に降られたのですけど、どうにかこうにかホテルに戻って体勢を整えたらすぐにバル通りへ。
シエスタ明けのタイミングでまずやってきたのは「La Viña(ラ・ヴィーニャ)」。
バスクチーズケーキ発祥の店といわれるお店です。
行列がグンと延びていてなかなか進まないなあと思っていましたが、進み始めたらあっという間ですぐ店内に入れました。
バルなのでピンチョスも様々なメニューがありますが、ほぼ全てのお客さんがバスクチーズケーキを注文しています。
1注文につき2切れ提供するスタイル。
テイクアウトもやっていて、「1切れは食べて1切れは持ち帰りたい」なども対応してもらえるとかいう話も聞きました。
チャコリと合わせるのもいいらしいですが、今回はコーヒーを注文。
焼き色はそれほど強くないようで、香ばしさというほどではないかも。
日本のバスチーでよく見られる半生でどろっとした感じはなく、中まで火が入ってホクホクだけど全体的にふるふるっと弾力のある絶妙な食感です。
味はとても淡白で、チーズのクセある風味ではなくミルキーな味わいが印象的。
個人的に最も近いと思ったのは水牛のリコッタチーズだったのですけど、鼻につく例の挙げ方かもしれないのでもう少し分かりやすいところでいうと豆腐に似ていました。
すごく観光客っぽくて恥ずかしくて悔しい思いもありますが、今回のサンセバスチャン旅行で1番美味しいと感じたのはこのバスクチーズケーキでした。
お昼に3つ星フルコースを食べているので、2人で1切れずつ食べ切れるか心配だったのですけど、あっという間にペロリと完食していました。
食べ終わってもコーヒーが出てこなかったので、忘れられたのかなと思い諦めて会計をお願いしましたが、ダンディーなお店のおじさんが「しまった」という顔をした後ウインクをして奥に下がり、コーヒーを出してくださいました。かわいい。
これは有名になるわけだと、心底納得させられました。
日本でも「発祥の店La Vinaのレシピで使っています」と掲げているお店も少なくないくらいなのですけど、このバスクチーズケーキみたいなのは1度も食べたことがなかったのでとても驚かされる経験でした。
このお店のレシピを存じ上げないのですけど、日本で普通に買えるような「クリームチーズ」を使っている時点で別物になってしまうような気がしました。「中がトロトロ」みたいな売り文句も違っているような気がします。
日本でもどこかで「これだ!」と思えるようなバスクチーズケーキに出会えるのを楽しみにしつつ、ごちそう様でした!