lockandgo65

美味しいもの食って写真撮って、あとで振り返ってのブログ

食べ歩きの記録です。よく食べ、よく歩きます。

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笹塚の「鮨なかにし」でおまかせコース。

2023年7月にひっそりオープンした笹塚のお寿司屋さん「鮨なかにし」さんへ。

「ひっそり」と書いたのは、最近では珍しく開店前も開店後もネット上で一切情報発信をされていなく、そのせいもあって口コミは1件も上がっていなかったのですよね。

どういうお店なのか全く分かりませんでしたが、何やら営業はされていそうで、8月のある日からGoogleマップに電話番号が掲載されるようになっていたので思い切って予約してみました。

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たこのやわらか煮。

店主さんは銀座「寿司幸本店」で修行後、「ぎんざ寿し幸」、上海の「鮨太郎顛」で板長を務め、満を持して都内にお店を出されたということのようです(ネットの海から探し出した情報を何となくふわっとお店で確認)。
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ふるふるのゼラチン質の中に、ガシッと締まった身は旨みが凝縮しています。
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しまあじ。

藁で燻して、添えてあるのは辛味大根と出汁醤油。
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脂の旨みに燻した香りが重厚感を加えつつ、辛味大根でさっぱりした後口の1皿に仕上がっていました。
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とうもろこしのすり流し。

冷たいとうもろこしのすり流しに、食感のアクセントに数粒は粒のままで加えてありました。
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驚くほどの甘さのインパクトです。
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仕上げはすだちの皮でしょうか。

とうもろこしの風味がストレートで力強いところへもって、鼻先にふっと柑橘の香るのが妙に印象的に感じられる1品でした。
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ここでお塩とお醤油が出まして。
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かます、つぶ貝。

お刺身は2種。
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かますは炙ったもの。

焼いたときの脂が食欲を強く刺激するお魚ですからねえ。

お塩でいただくことを勧められました。

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つぶ貝。

強い食感と風味で、やわらかなかますとの間にコントラストを感じます。
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いさきの塩麹漬け焼き。

添えてあるのはガリと大葉を刻んだもの。
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味噌焼きよりも香りが穏やかな感じ。

ややボリュームが軽い気はしましたが、これから握りが始まることを思うとこれくらいがちょうどいいのかも。
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茶碗蒸し。

熱々の蟹あんをかけて提供されます。
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具には椎茸の他、穴子や他にも何やら白身魚が入って、複数の旨みが詰まった仕上がり。

塩気ということでなく、味の濃さを感じる茶碗蒸しでした。
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お新香は水茄子、山ごぼう、搾菜の浅漬け。

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どれも美味しかったですが、特に搾菜の食感が特徴的でとても印象に残りました。

真似して作りたい。
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ここから握りの準備が始まります。
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ガリもセット。いざ!
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佐賀の新子。

1枚付けですが一応これでもまだ新子とのこと。

醍醐味ともいうべきサイズの小ささはないものの、味はむしろよく出ていて美味しいです。
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鹿児島の新いか。

この時期だけ出回るすみいかの子ども。

ここ数年はなかなかいただく機会もなくなっていましたが、ここで出会えるとは!

むつんっと独特のやわらかな歯切れが癖になるのですよね。

もうこの時点で大満足決定です。
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まこがれい。

身は軽い弾力があってやわらか。
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牡丹海老。

上にのっているのは海老の殻を砕いて煎って、砕いて煎ってを繰り返した「海老粉」だそう。

ひとつまみ振りかけただけで、身の甘さに負けない強い香ばしさが加わっていました。
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石垣貝。

艶かしく、風味のはっきりした貝ですが、香りのいい海苔で押さえ込んで落ち着いた味わいにまとまっている印象。
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鰯。
ほどよい脂乗りの鰯はおぼろ昆布をのせて。
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大間のまぐろの赤身漬け。

深めの漬け加減でねっとりした舌触り。
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金目鯛。

皮目下の脂が独特の甘み。

切り付けが厚めで、ボリュームのある食感を楽しめます。
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中とろ。

なぜかやや発色が悪かったですが、味は関係なく、軽い酸の心地よい夏のまぐろでした。
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赤むつ。

白身のとろとも言われるのどぐろを炙りで。

かなり焼きの強い味がしました。
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うに。

北海道産の、多分バフンウニ。

モリモリに積み上げてくださいました。
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車海老。

頭側をしっかり落としているのでサイズ感が分かりにくいですが、太さはまずまずあったように思います。

おぼろを挟む江戸前のお仕事。
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お椀。

お味噌汁は蟹や海老、鯛のアラでお出汁を取っているそうで、甘みと旨みの詰まった1杯でした。f:id:lockandgo65:20231002113209j:image

特に蟹と海老で随分香り高い仕立てになっていたのが印象に残りました。

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穴子。

塩とツメで1/2貫ずつ出していただけました。
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穴子はちょっと脂が薄いのか、少し気になる香りが立ってしまっていたような感があります。

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玉子。

奥久慈の卵を使っているという卵焼き。

海老や白身の風味がガッツリ主張しつつも、卵の香り、甘みのやわらかさはスイーツのよう。

これを毎回食後にいただけるというのは楽しみのひとつになりそう。

というわけで、ほぼ事前情報なく伺いましたが、どれも手の込んだ仕込みのお料理ばかりでした。

ネットで発信していなかった理由も、「まずは地元の方に来てもらうところから」というお考えだったようで、実直な店主さんのお考えが垣間見えるエピソードでした。

他のお客さんが「写真はSNSに載せていいですか?」と聞いたら、店主さんは思うところがあるのかもごもごしていたのですけど、見かねた学生バイトだという女性が「載せてください!ぜひ!」と声を大にされていて、店主さんとの関係性がちょっと面白かったです。

バイトさんの後押しもあったのか、9月19日からはインスタを始めていらっしゃるようで、これからだんだん知られていくお店なのかも。

丁寧なお料理はどれも間違いのない雰囲気だったので、また季節ごとに伺いたいなと思いつつ、ごちそう様でした!

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