松陰神社前のお菓子屋さんへ。
「世田谷」というと敷居の高い気もしてしまうのですけど、古き良き商店街の感があってのどかですねえ。
MERCI BAKE(メルシーベイク)。
2014年オープンのお菓子屋さんで、イートインもあるようですがこの日はテイクアウトのみの営業でした。
イレギュラーな営業だったこともあってか、前のお客さんが、
「いつもはパンとかもあるんですか?」
と質問すると、お店の方が、
「パンはやっていないんですよ」
と答えていたのですけど、会計が終わった後に近所のパン屋さんを2軒も案内していらっしゃいました。
"古き良き商店街"にあって、モダンすぎるというかオシャレすぎるお店のようにも感じていたのですけど、違っていたようです。
シンプルな包装ひとつとっても素敵で。
お菓子のラインナップやビジュアルは、アメリカンスイーツ系。
ただし食べると、砂糖の甘みで押しきるものではなく、粉だったりナッツだったり、焼いて凝縮した素材の風味がのっけからバーンとぶつけられるように広がります。
アーモンドタルト。ずっしり。
トップで焼けたアーモンドが、とけた砂糖で絡めとられてフロランタンとかヌガーでも食べているような感覚に。
すぐ美味しいです。
遅れてじんわり来るのは粉とナッツ、そしてバターの香り。
しっかり焼き込んであるので、ゆっくりとけながら風味を発散させてくるのですよね。
甘くまろやかな味わいが広がってくると、対照的にアーモンドの焼けた香ばしさが立ちます。
緩急の付いた味わいの組み合わせ、バランスがお見事ですね。
バナナケーキ。
塩気を感じる生地は甘さ控えめ。
甘さを抑えるとこれはこれでバナナの青っぽい香りが立ちますね。
このドライな焼き込みが珍しいのでしょうかね。
バナナの香りはするのですけど、甘く妖艶な感じにならないという。
間にはクリームチーズをサンド。
生地自体はやや色気に欠ける素朴な味わいなので、クリームチーズが入ると奥行きが広がる感じ。
というわけで、今回は2品いただきましたが、どちらも使っている素材の良さを感じました。
見た目はアメリカンスイーツっぽかったのですけど、粉とバターの味の出し方や、表面と中でメリハリのついた焼きを見るにつけ、フランス菓子イズムが感じられてなりませんでした。
基本のパーツの出来がいいと、また他のお菓子も食べたくなってしまいます。
また伺います。
次はイートインかな!