4月27日(土)、この日は予約なしで豊洲の「高はし」さんへ。
店頭に置いてあるメニューを見て、この日のお魚が気になってしまったのですよね。
幸い席も空きがあってよかったです。
入って左手の席に座ることが多かったのですが、今回は右側へ。
こちら側だと3代目とあまり絡みがないようで寂しくもありますが、雰囲気の違いを楽しめた意味では収穫でした。
1品目は、まぐろとかんぱちのさっと煮。
「黄身あえ」とのことでしたが、卵黄がかなりたっぷりで、すき焼きの始めたてみたいな感じ。
さっと煮ということで、味付けよりも脂の味をメインに感じる仕上がり。
脂の乗っていないところもそれはそれでいい味がありますが、やはり脂の乗ったジューシーな部位の味わいが格別でした。
胡瓜は、築地時代も定番だった味噌漬。
しっかり漬かっているのに、シャキッとした佇まい。
真似したいのですが、なかなか上手くいきません。
今回は野菜料理が3点盛り。
それでも1品ずつにまあまあボリュームがあるのが高はしさんらしさ。
1品どーんと出てくるより、コースの最初としてはちょっとずつ色々食べられるのが楽しみが膨らみます。
水菜おひたし。
水菜はくたっとするまでしっかり火を入れて、結構塩気が強め。
水茄子。
さくり、さくりと小気味良い歯切れ。
イメージを上回る甘さが印象的です。
里芋煮≪築地風≫。
築地のときと作り方は変えていないと伺った気がしますが、記憶にあるものとはまったく違っているような気もします。
お店に入ったときに醤油の香ばしい香りがしていたのはコレだったのでしょうかねえ。
お隣の呑兵衛さん曰く「これだけでお酒飲んで満足」というのも納得のスタートですね。
わりと序盤からお酒の進みそうな塩気の強さなのですよねえ。
舌がやや疲れたところでお刺身へ。
銚子産天然生本まぐろ。
20キロくらいまでをメジマグロというのに対して、こちらは3,40キロを意味する「中坊」。
脂は薄いです、とアナウンスがありました。
とはいっても中とろの側はそこそこ甘い脂が感じられました。
それより、芯のある旨みを感じさせつつさっぱりした香りの赤身が印象に残りましたけどね。
この時期っぽさを感じさせるまぐろでした。
愛知産あじ≪塩締め≫。
しっかり厚みのあるあじのお刺身を塩で締めたそう。
ギュッと引き締まった身質が独特。
塩気のあとに尾を引く、干物にしたときに近いような旨みが力強いですね。
ピンクに少し青みや黄色みがかかったような色味も珍しかったです。
豪華なお刺身が続きましたが、最後は大分産天然鯛≪湯霜造≫。
「全然違う」ということで、その場でお湯をかけて湯霜に仕上げてくださいました。
皮目は生では噛み切れず食べられませんが、お湯で火を通すことで皮下の旨みまで余すことなく味わえるようにする調理法ですね。
むっちむちの皮目はもちろん、今回はしっとりとろける脂の乗った鯛がそもそも美味しかったです。
鯛系のお魚としてはなかなか出会えなさそうな脂乗りでした。
房州勝浦産・地きんめ煮付。
久々に出会えたメニュー。
築地時代より若干大きさがあるかもしれません。
かまなので、骨周りの様々な部位を堪能できます。
コラーゲン質や、コラーゲン質から脂の染み渡った身が、どこをとっても絶品なのですよね。
この辺は筋肉質な旨みの強い身が詰まっています。
特にお気に入りのエリア。
厚みがあったので、見た目以上にボリュームがありますが、ぱくぱくあっという間になくなってしまいました。
<伝説のきんめ魚汁>。
味の濃いところから始まって、結構なボリュームのメインでしたが、魚汁もしっかりガッツリ丼で1杯。
きんめのカブトと、長ネギ、そして柚子皮を散らしてあります。
ボリュームもさることながら、塩気がかなりビビッドというかシャープというか、要するに強め。
きんめの出汁とか脂の甘みがやや負け気味なほどでした。
煮魚のバランスのとれた味わいが、塩気に流されていく感じがややもったいない気も致しました。
最後はさくらんぼ。
佐藤錦だそうです。
仲卸で最高級ランクの、かっこいい箱にビシッと詰められたものを買ってきたそう。
「こんなの誰が買うの?って聞いたら、何て言ってたと思う?」
と3代目がお客さんに質問を投げかけたので、ホテルだろうかとか、伊勢丹だろうかとか考えをめぐらせますが、なんと、
「観光客が買って行くんだって」
とのことでした。なんとなんと。
というわけで、なかなか食べる機会のなさそうな高級さくらんぼをいただいて、ごちそう様でした!