先日伺った「Cyodo」さんの隣にパン屋さんがオープンしたということで、ふらっとお邪魔してみました。
お店は「パンと焼き菓子と朝 steppin'(ステッピン)」さん。
SNSで見かけた情報によると店主さんは六本木の「ラトリエデュパン」さんで働かれていたそう。
あちらのお店は白玉粉を使ったものや、高加水なハード系など、こだわりをもって生地を開発されているのが面白くて一時期よく通ったのを懐かしく思い出しました。
エンガディナー。
まず真っ先に目を引いたのは、タルトの上にキャラメルがけしたくるみをたっぷり積み上げた個性的なスタイルのこの焼き菓子です。
シンプルで素朴な商品が多い中、一見素朴な色みながらひとつだけ異彩を放つインパクトだったのですよね。
どう食べ進めたものかと思ったのですけど、結局くるみをフォークで崩しつつ、下のタルトをひと口ずつカットしながらいただきました。
想像したよりはあっさりとした味わい。
キャラメルがあっさりしているということはないと思うので、くるみの量に対してキャラメルがけが控えめということかもしれません。
購入した日の夜にいただきましたが、くるみはよく火が入ってカリッとした食感が残っていました。
ベースの生地もクリスピーな焼き込み、やさしく甘い香りが印象に残るものだったので、また他のお菓子でもいただいてみたくなりました。
クロワッサン。
やや焼きが強めなのか、ところどころ濃く色づいています。
そんなに膨らんだタイプではなさそうで、サイズは小ぶり。
外から順番にパリパリ、ミチミチ、むちむち、という食感がギュッと詰まったような食感。
最初は焼けた香りが強めに出ますが、むちむち生地が口どけ始めたところでまろやかなバターの香りがふわりと残ります。
シンプルでバランスのいいクロワッサンでした。
小ぶりなので気持ち的にも罪悪感が少なめで食べやすい気がします。
ニブビスケット。
カカオではなくニブを商品名に冠する辺りからも分かりますが、ぽくぽくと歯触りが印象的なビスケットです。
チョコレート菓子的な甘ったるさがなくて、ちょっとチーズにも似たようなカカオのコクを感じられる味わいでとてもよかったです。
メープルビスケット。
ビスケット自体はプレーンで、メープルソースがけになっていたように思います。
エンガディナーのタルトでも思いましたが、シンプルなお菓子の粉やバター、卵の味の出し方がおじょうずなのだろうなあと感じます。
個人的にもこういうシンプルな生地を味わうお菓子がツボなのでこちらも好みでしたが、今回に関してはニブもなかなかに心に残るところがあって、また食べたいのはニブビスケットかもと思いました。
カンパーニュ。
焼きツラのいいカンパーニュで惹かれたのでホールで買おうと思ったのですけど、「半分にカットもできますよ」とわざわざ声をかけていただいたのに負けてハーフサイズで購入。
まだ温かいうちに買ったのでパンを入れた紙袋がだいぶ湿っていましたが、食べてみるとそこまで高加水を主張したタイプの生地ではなさそうです。
高加水自体を個性とせずに、あくまで手段として味や食感のよさを追求したような仕上がりで好感が持てました。
炊きたてご飯を思わせるような、甘い香りの広がるカンパーニュでした。
名店「シニフィアンシニフィエ」さんをなぜか思い出すなと思ったのですけど、確か「ラトリエデュパン」さんの監修か何かで入っていらっしゃったのですよね。
シンプルな中に秀逸なところのあるパンが多かったのでまた新しい商品を味わってみたいなと思いつつごちそう様でした!