ここのところ好きに任せてパン屋さん巡りをしていましたが、ちょっとちゃんとパンを食べよう(?)と。
哲学のあるパン屋さんを考えていて最初に思いついた代々木八幡の「365日」に伺うことにしました。
カレーぱん(270円)。
このお店らしい、万人に好まれそうな、もっちんとマシュマロのようなやわらかな弾力の生地を使った焼きカレーパン。
表面のパン粉はカリカリ。
シンプルで素朴な調理の挽肉。
塩気が極々弱めで、肉の旨みがパン生地の隙間に染み入っていくのが分かる感じ。
優しいスパイスと赤ワインを彷彿とさせる品のいい甘い香り。
くるみぱん(210円)。
固いわけではないものの引きが強い生地の中で、ローストされて軽い食感になったくるみ。
砕けてふわっと生地の中に消えていきます。
粉の味、ほんのり塩気、くるみの甘み。
無意識に研ぎ澄まされていく感覚がそれらを自然な流れで捕えます。
かぼちゃのマフィン(340円)。
ガチッと焼かれたかぼちゃは、かぼちゃらしいほくほく感やしっとりした感じはないのですが、噛みしめるうち食べ慣れた甘くクリーミーな姿に。
そうするうちに生地に練り込まれたアールグレイの香りが立ち上り、かぼちゃとひとつになって頭の中をぐるぐる回ります。
奇抜なわけではありませんけど、かぼちゃと紅茶の組み合わせってちょっと珍しいかな?
とっても合っていましたよ♪
グリュイエールチーズと自家製ハムのサンド(520円)。
生地はハードなフランスパンではなく、ソフトなソンプルサンというお店一押しのパン。
クリーミーでミルクの味の濃いチーズ。
自家製だというハムは優しく控えめな味で、それを補うようにマスタードを効かせたマヨネーズが「アクセント」というには余りあるたっぷりな量。
ソフトながら噛み応えのある生地を時間をかけて味わいます。
その中で出会うあんな味やこんな味。
静かな気持ちでゆっくりと食べたいパンなので、忙しない毎日の中で365日そんな時間を取るのは難しい気もしますが、それが出来たら豊かでしょうね。
素敵な時間を過ごせるパンです。