お昼は秋刀魚を食べたかったので「焼き魚が売りのお店」を…
と考えまして、麻布十番「旬の味 たき下」さんへ。
今年は"イイさんま"がないので仕入れないお店が続出していますが、こちらは幸運にもラインナップに入っていました。
「数が少ない」「値段が高い」という理由で仕入れないということは今までにもありましたが、今年ほど「大きいのがない」という年はなかったように思いますねえ。
店外、店内と10分ちょっと待ってカウンターに着席。
行列はできていましたが、席数が多くオペレーションがしっかり作り込まれていてとても回転が早いお店なのですよね。
メインが出る前から小鉢3皿とおかわり自由の大根おろしがドンドン用意されます。
カウンター席だったので目の前で焼き魚が盛り付けられていく様子を拝見していましたが、1番人気は黒むつ幽香焼き、次は意外にも秋鯖胡麻みりん焼き、そしてその次で新さんまという感じだったように思います。
7:2:1くらいのイメージ。
小鉢はひじきと、
お漬物、
そして酢の物。
どれも少量、特筆すべきほどのものではないものの、この価格帯でメインを待つ間につまむには十分。
大根おろしはおかわり自由。
とはいえ「大量に作り置き」ではなく、まめに切れるたびおろし直していたよう。
みずみずしく甘みと青い香りのある美味しい大根おろしでした。
卓上のふりかけも使い放題だなあなどと考えていると。
メイン登場。
新さんま塩焼き(1295円)。
並んでいる間に注文を聞かれただけあって、着席から提供までスムーズ。
串打ちで荒々しく波打った型、今年のさんまとしてはかなり大物だと思います。
またこの串の打ち方がお上手で、お腹がパンッパンに膨らんで見えて魅力的です。
たき下さんは炭火焼きの高温で焼き上げて、表面は黒々とした仕上がり。
言わずと知れた遠赤外線効果のおかげかどうかは分かりませんが、外側から中心までばっちり火が通っていました。
頬の辺りの皮が綺麗だったので、棒受け網かな?と。
刺し網だと「網に刺さる形」で獲るので、引っかかった頬の辺りの皮が剥けちゃうのですよね。
一方、棒受け網は大きな網でごそっと。
そのためさんま同士が暴れてぶつかり合って剥がれたウロコを飲み込んでしまう。
と漁法によって違いが出るのですね。
で、こちらは棒受け網かと思ったのですが、ウロコは特に気にならず。
とはいえ脂もないのでワタはスカッスカになっていました。
せっかく回転よく案内、提供してくださったので、僕もササッと完食。
今年いただいたさんまの中では大きさ、脂乗りともに1番だったかもしれません。
炭火調理はやや行き過ぎ感があるものの、許容範囲の火入れ。
いただきたいと思っていたところにビシッとはまるものをいただけると、気持ちがいいですねえ。
こちらのさんまはシーズンが来るたび食べたいと思いつつ未食のままできてしまっていたので、積年の念願を果たせてホッとしました。
ごちそうさまでした!