前日からホワイトアスパラで頭がいっぱいになっていたので、お昼にいただくべく都内のフレンチを調べに調べまして。
当日予約で潜入できたお店は…
シュ・マン。
2002年オープンと、比較的老舗な赤坂のフレンチ。
ランチタイムは比較的リーズナブルなメニューもあるようです。
僕は前菜2品の真ん中のコース(3900円)にして、お目当てのホワイトアスパラは追加料金1000円。
さらにお水をお願いしたりしたので、結局ランチとしてはまあまあのお値段になりました。
アミューズはベーコンの入ったマドレーヌ。
焼き直ししているせいなのか、ご覧の通り深い焼き色で、ややパサつきが気になります。
ケークサレみたいな感じですね。
パンとバターは大人版給食みたいな質感。
リーズナブルですから、この辺は無難なところへ押さえてありそう。
1面がガラス張りになっていて開放的な店内です。
飾ってあるCDがオペラばかりだな~と思っていたら、終始BGMもオペラでしたね。
人参のムースとコンソメジュレ 北海道産うに添え。
フランス料理の前菜としてはド定番ですが、各店の個性が出る1品でもあります。
コンソメジュレは、つんけんした味がきつめ。
比較的しっかり固まったタイプだと言って良いと思います。
人参のムースは、野菜自体の甘みと香りがしっかり出たもの。
うにと合わせた全体の味のバランスは良かったのですけど、少しうにの量が少なかったかなと。
さて大本命、ロワール産ホワイトアスパラガスとアサリの軽い煮込み。
メニュー表記は「オランダ産」になっていたので外したかと思っていましたが、この日はいいロワール産の露地物が入ったのだとか。
ちなみにお店の方に伺うと、「出始めはロワールよりオランダの方がむしろいいから、使っている」とのこと。
前日のお話では「穂先はとうもろこし、根本はたけのこ」と表現されていたイメージですが、こちらは「穂先はとうもろこし、中間がたけのこ、根本は白菜の芯」という感じ。
想像以上のメリハリでした。
できるだけシンプルな形でいただきたいと思っていましたが、アサリ、いいですねえ。
ホワイトアスパラというとクセなくソースを甘受するイメージがありますが、こうして食べると主張の強いアサリに案外負けない風味があることが分かりますね。
仔羊もも肉のロースト 山菜・ナバラン添え。
シェフのご両親が完全無農薬栽培したお野菜も使われるそうで、このお皿のこごみ、わらび、菜の花、アスパラ、空豆、ふき…と添えられたものもご両親が採ったものだとか。
ジャキッと強い歯切れ、弾ける脂身、ほんのり羊の香り。
仔羊のジュをソースに使っているそうなので、そちらも香りが出ているのかもしれません。
肉っ気の強いソースは山菜ともバランス的に馴染みますねえ。
仔羊のナバランは、平打ちのパスタと和えてあってほぼボロネーゼ。
ゼラチン質の多い部位だったようで、より濃厚になったソースの効果でホワイトソースはないのにラザニアに近い感じもありました。
デセールはチーズスフレに苺、フレッシュのルバーブ。
フレッシュのルバーブとは言われましたが、普通にコンフィチュールっぽくなっていたと思います。
「生鮭」と同じで"冷凍ではない"という意味かな?
スフレはとても軽いもの。
「重くない」という意味ではいいと思いますが、フレンチのコースの〆としてはちょっと弱いですかね。
ソースが単調に甘いのもバランスがよろしくないかと。
キャラメルのアイスは風味が強め。
この辺りもちょっとちぐはぐ。
ドリンクはハーブティーをお願いしました。
ミント、ローズマリー、レモングラス。
リーズナブルな価格設定なので、削るところは削ってありそうな印象でしたが、実力の片鱗を垣間見られるところはちゃんと用意されていますし、ゆったり過ごすことのできる環境を考えてもいいランチだなあと思いました。
純粋にお料理に惹かれるところも多々ありましたので、また気になるメニューをいただきに伺いたいという気にさせられました。
また、サービスのお若い男性もほどよくフランクなコミュニケーションをしてくださって、とても居心地がよかったことも申し添えておきます。
こちらが黙っていれば放っておいてくれるし、ボールを投げればちゃんと投げ返してくださりそうでした。
またぜひ伺いたいです。