2度目の「i am…」さんへ。
火曜のみの間借り営業ということでハードルは高めなのですけど、夏までの限定ということなので行かれるうちに行っておきたいのですよね。

シェフのインスタを拝見していると、意欲的に季節の食材を取り入れた新メニューを開発なさっていて、この日も前回訪問から日が経っていませんでしたが新しいお料理を揃えてくださっていました。
最初の挨拶から「早く食べて欲しくてたまらない」と言わんばかりに、うずうずにこにこされているのが印象的でした。

泡。

アミューズは、ランチで出しているという仔羊の煮込みを「多分ランチの時間にはいらっしゃらないだろうと思って」と出していただけました。

「ひと口でどうぞ」ということでしたが、ひと口では入りきらないボリュームです。

刻んだ野菜と煮込んであって、ちょっと酸味のアクセントも。

底にはクスクスが敷かれています。
いきなりちょっとしたメイン料理くらいの肉感で、パンチのあるスタートです。

新玉ねぎのブランマンジェとコンソメジュレ、ホタルイカと春の野菜添え。
新玉ねぎの甘みが強く出たブランマンジェに、コンソメのシャープな風味が映えます。

ホタルイカと重ねるのはグリーンピースやアスパラといった春の味。
前回「春は苦味」とおっしゃっていたのが思い出される、爽やかで旨みの濃い1皿でした。

鶏内臓のバリエーションサラダ。
「今日はお腹に余裕がありそうですか?」と確認して追加していただいた1皿。
シェフが働いているビストロで、フランス人の料理人の方に「パリではみんな大好きなメニュー」と言われたものなのだとか。

砂肝、ハツ、レバーのコンフィと、加熱したそのオイルで和えたサラダです。

オイルが鶏肉のいいところを凝縮したような抜群の仕上がりになっているのは言うまでもありませんが、ポテトが入ることでサラダの枠を超えた1品料理としてのひとつ上の次元になっている感覚がありました。

サーモンと芋のクレープ。
オープン当初から提供されていて気になっていた1皿です。

火を入れたサーモンに、もっちりとしたじゃがいものクレープを被せてあります。
大皿の上でこのサイズなので、なかなかボリュームがあります。

ほくっと焼き上がったサーモンに、もちっとしたクレープ、なめらかなソースと、舌触りが三重奏になって賑やかに口の中で響きます。

ソースは紫蘇のブールブラン。
ぽってりとコクのある中に、爽やかで甘い香りがほんのり。

スズキのパイ包み、数種のキノコとエスカルゴバター。
前回いただいたお料理の中でも特に印象に残ったパイ包みを、違ったアレンジでお出しいただけました。

前回もそうでしたが、パイは火を入れすぎず黄金色が輝きを放つような仕上がり。
しっとりと歯を覆うようなふくよかな食感と、豊かな香り。

キノコの中にはキクラゲも入っていて、小気味よく楽しい食感を生んでいます。

それではいざ入刀。

スズキは厚みのあるカットで、想像したより脂の乗った身質でした。
パイのバターの香りとエスカルゴバターの風味で、かなり濃厚なのですけど、バクバク食べ進められる味のよさ。

鴨胸肉ロースト。
鴨は北海道産のスノーホワイトチェリバレーだったかと思います。

味の濃い身に、カリッと焼けた皮目からジューシーな脂が溢れて絡みます。
家でアロゼ(フライパン上でひたすら油をすくってはかけ、を繰り返す火の通し方)をずっと練習してきた成果を試したかったそう。
お皿の上の要素の中心に間違いなくドンと鎮座するお肉の旨みです。

緑の野菜は「荒れたブロッコリー?」「洗ったブロッコリー?」と聞き返してしまいましたが、ブロッコリーとカールを掛け合わせた「アレッタ」。

ほぼワンオペ状態だと思うのですけど、飾り切りまでして手が込んでいるな〜と思ったら「トゥルネ(マッシュルームの飾り切り)好きなんですよ」とのこと。
料理を楽しんでいらっしゃるのが全身から感じられるようで、食べているこちらも楽しくなります。

自家製プラリネのアイスと八朔。
デセールは派手さはないものの、細部に手が込んでいて、組み合わせのセンスを感じさせるものなのですよね。

自家製プラリネのアイス。
プラリネとは、ナッツで作った甘いペーストのようなもののこと。
ナッツのざらりとした風合いを感じさせる舌触り。
キャラメルソースとの相性もとてもよく感じられます。

ナッツやキャラメルと柑橘の組み合わせってそれほどイメージにはありませんでしたが、ショコラとオレンジの亜種みたいな噛み合い方をしていて面白かったです。

シェフがそろりそろりと運んできて、そーっと机に置いた瞬間に苺が転げ落ちた同行者のバースデープレート。

シェフの可愛い照れ笑顔と、これはこれでそれっぽいビジュアルに免じてセーフということになりました。

軽やかなコクの魅力的なショコラのセミフレッド。

桜のマカロン。
中には苺のコンフィチュール入りでした。
というわけで今回も全般にわたって好奇心をギンギンにかき立てられる楽しくてレベルの高いコースでした。
次に伺える頃にはしっかり季節が変わっていそうなので、次回を楽しみにしつつごちそう様でした!