続いて麻布十番へ移動。
11時半ちょっと前にお目当てのお店に到着しましたが、12時オープンだったので近くで時間を潰すことに。
ふらふらしていたら何かのテレビ番組の撮影に遭遇して「野次馬」として煙たがられました( ̄▽ ̄)あまり興味ないのですけど(苦笑)。
ビストロ コティディアン。
有名かつ人気のお店ですが、パティスリー・ル・ポミエと同じビルの2階にあって狭い階段を上らなければならないちょっと目立たない場所にあります。
ダークな木目にワインレッドを基調とした内装、強面シェフにたくましく心優しそうなスーシェフ、ちょっと頼りなげながら甘いマスクの見習いのお兄さんに、きびきびして芯の強そうなマダム。
入った瞬間にこれぞビストロ、と感じるイメージど真ん中のビストロです。
この日はひとりだったので予約なしで滑り込めましたが、基本的には予約して伺うのが確実だと思います。
注文はお店のスペシャリテをいただけるカスレのコース(4200円)。
小さいポタージュ、パン、アミューズ、カスレ、デザート、食後の飲み物のコースで、デザートと食後の飲み物は選ぶことができます。
バターナッツのポタージュ。
「容器が熱いのでお気を付けください」と仰っていただきましたが、ポタージュ自体かなり熱々なので注意が必要です。
バターナッツのバターっぽいコクに、本当にバターのコクが加わって、後味にほんのり青みのあるかぼちゃの香り。
甘みが出てくるタイミングが普通のかぼちゃよりもやや遅いような印象です。
バゲットはクラストがパキパキ弾ける食感で、中は気泡が豊満に入ったもの。
熱々に温めて提供されます。
アミューズはエスカルゴ。
苦手だったら他の前菜に差し替え可能ということでしたが、苦手というわけでもないのでそのままで。
1壺に2つずつ入っている、とのこと。
グツグツ煮えながら出てきます。
もきゅっと独特の食感のエスカルゴがバジル、ガーリック、オリーブオイルで煮られています。
イメージとしてはガーリックトーストのそれの味。
エスカルゴを突いた後にバゲットを千切ってオイルに浸していただくと、思わず笑みがこぼれるほど幸福な味。
メインの登場を前にしてラギオールが登場。
いざ!スペシャリテ!
フランス産鴨もも肉コンフィのカスレ。
こちらもグツグツ煮えて登場。
このコース、寒い季節にいいですね。
骨付きの肉って、それだけでテンションが上がりますよね。
かぶりついて食べるのって、ロマンがあると言いますか。
ちゃんとお手拭きもいただけるので、躊躇いなく手掴みで堪能できますよ。
しっかり塩コショウで下処理した男前仕様。
ギラッと強い味のベースに凝縮した肉の旨み。
皮目はバッキバキです。
本来カスレって豆の煮込み料理なので、もちろん豆も煮こんであります(笑)。
白いんげん、ぽっくりした食感で鴨の脂の融け込んだギラギラした汁をたんまりと浸みこませてあります。
玉ねぎもよく甘みが出ていました。
コンフィにした鴨はギュギュッと締まったところあり、しっとりなめらかな舌触りのところあり。
煮汁に鴨の味が流れ出ているのに、鴨自体の味は落ちていません。
すごく美味しい!
ソーセージも一緒に煮込むのが定番なのだとか。
岩中豚という銘柄豚のソーセージ、バジルが香るものだったと思います。
岩中豚って時々目にしますけど、岩手中央畜産株式会社から来ているのだそうですね。
意外でした。
しっかりした味わい、旨み、食べ応え十分のカスレ、絶品でした。
また食べに行きたいなあ。
荘厳なオーラ漂う孤島のよう。
ビターに香るカラメルにラム酒が効いているのかとも思いましたが、多分プリン自体からビビビッとお酒を感じたように思います。
かなり気持ちいい香りです。
アングレーズソースでまったりと。
色味もそうですけど、まったりと穏やかにさせてくれますね。
コーヒーもビストロらしい味わいでしたが、しっかり美味しかったです。
サービスは行き届いていたのですけど、若干料理の提供の遅さが気になる気もしました。
飛び込みで入ったおひとり様の僕は仕方ないとしても、予約のお客さんも最初のポタージュが出るまでに30分以上かかっていたりして、実際物申していらっしゃる方もおられました。
ひとつひとつ丁寧に調理されているのでしょうから何とも言い難いですけどね。
そこをマイナスしてもあまりある満足感でした。
前菜メニューも気になるものがありましたが、また次もカスレをいただきたくなってしまう気もします。
ごちそうさまでした。