「モカ」ってコーヒーの名前として何となく認識しているのですけど、厳密に豆の品種というわけではないのですよね。
元々はイエメンからイスラム教圏に広がったコーヒーが、さらにキリスト教圏へと輸出される際に、モカ港から出荷されたことに由来します。
そしてさらに中東・イエメンの豆だけでは足りないところを、対岸のアフリカ・エチオピアの豆で補った。
そういう経緯でイエメン、エチオピアの豆がモカと呼ばれ、モカ港から輸出されなくなった現在でも愛称として残っているという。
フルーツケーキ。
イブラヒム・モカは極浅煎りから極深煎りまで、両極端で焙煎されるのをよく見かけますが、ドライフルーツを使ったケイクはまさに浅煎りにも深煎りにも合うお菓子なのですよねえ。
バターのコクは深煎り向きですが、ドライフルーツは浅煎りの酸味と馴染むという。
コーヒーがお好きな方なら聞いたことがありそうな「モカマタリ」という名前は、イエメンのバニー・マタルという地域で採れたモカだということ。
バニー・イスマイルで採れた豆が今回のイブラヒム・モカです。
イエメン、エチオピアの豆から始まった猫廼舎さんのコーヒーの中でも、個人的に1番らしさを感じるというか、原点っぽさを感じるのがイブラヒム・モカ。
苦みを焼き切るくらいの深煎りで、甘みを通り越してお出汁を煮詰めたくらいに濃厚な旨みが広がります。
ちょっと薬っぽい独特のニュアンス。
この風味が浅煎りにするか深煎りにするかで印象が変わるのですけど、深煎りは甘みとして表れます。
というわけで、絶品スペシャリテをいただけました。
味の感想を書くふりをしながら、コーヒーの知識をまとめ直して自分用のメモとしてちゃっかり書き残しながら、ごちそう様でした!