リアドに1度戻った後、暗くなる前に再び外へ出かけてモロッコの誇るラグジュアリーホテル「ラ・マムーニア」へ。
世界のベストホテルではトップ10に入り、アフリカではNo.1に輝いたという100年以上の歴史を持つ由緒正しきホテルです。
そしてその中に、アフリカ大陸唯一の「ピエール・エルメ」の店舗があるということで気になっていたのですよね。
ルールなのか、目を付けられたのか、入口の荷物検査で一眼レフを没収されてしまったので写真はスマホです。
ホテルが広くて少し迷いましたが、無事に辿り着けました。
デザートと紅茶だけでコース料理くらいの値段になってしまいましたが、ここまで来たら迷いはありませんでした。本望です。
Corne de Gazelle Individuel。
伝統菓子「ガゼルの角」をモチーフにした店舗限定メニュー。
この角度からの写真だと形がよく分からないかと思います。
ハリウッド超大作の宇宙物SF映画に未確認飛行物体とか地球外生命体みたいな感じで出てきそうな、謎めいて美しいビジュアルです。
横から見るとこんな感じ。
シンプルな形かと思いきや、よく見ると想像よりも曲線が多いです。
置かれた向きとしてはこちらが裏側でしたが、本来はこっちが正面のような気もします。
どこから食べたらいいやらですが、覚悟を決めてえいやっといただきます。
オレンジフラワーウォーターで風味付けしたというアーモンドのペーストがメインで、下にはローストしたアーモンドが敷かれています。
中にはオレンジのコンポート。
アーモンドの香ばしさの中にある妖艶な要素が、オレンジに連れ出されるように外に溢れ出た味わいの華やかさ。
伝統菓子の姿を借りつつ、オレンジとアーモンドというモロッコらしい食材の魅力が遺憾なく発揮されたお菓子でした。
M-Hancha(ムハンチャ)。
蛇を表すアラビア語に由来する名前を持った伝統菓子をモチーフに、これまたアーモンドベースで作られた店舗限定のお菓子です。
2種類だけの店舗限定のお菓子を、どちらもアーモンドのお菓子にする辺り、「モロッコという国らしさ」が伝わってくる気がします。
実際モロッコの古きよきお菓子屋さんに行くと、こんな色みが並んでいますもんね。
伝統菓子の方に使われている蜂蜜を合わせたアーモンドのクリーム。
蜂蜜はこれまたオレンジの花の蜂蜜にしているそうです。
中のプラリネが、全体のバランスとしては決して量が多くはないのですが、存在感があって全体の方針を決定づけるような役割を果たしていました。
どちらもアーモンドがメインで、かなりシンプルな構成なので印象としてはかなり高くなってしまいますが、それでもこの2品を作らんとした熱量がひしひしと伝わってくる絶妙なニュアンスがそれぞれ表現されたお菓子でした。
モデルとなった伝統菓子の方も食べたくなっちゃって、残りの旅行期間に期待しつつ、ごちそう様でした!