久しぶりに三軒茶屋の「サンバレーホテル」さんへ。
この日もよく食べた1日でしたが、ここに向けて余力を十分に残してまいりました。
このお店の前に漂う、静かで濃い空気が好きです。
事前に注文は済ませてあるので、バナナリーフが用意されて料理を待ちます。
ひとつひとつのお料理をベストの状態で出すため、1品ずつ仕上がるごとに各テーブルへ運ばれていくのを眺めながらワクワク。
こちらではロティを頼むことが多いですが、今回はお料理のラインナップと睨めっこして、合いそうだったライスにしてみました。
そして満を持してここからお料理の提供が始まります。
Nandu Masala(蟹)。
南インドの蟹のカレーです。
蟹の旨みが「凝縮」というより「広がる」ように染み渡っていて、とても甘い香りがします。
手でワシワシ、ミチミチと解体しながらいただいたのですけど、手に香りが移ってくるからなのか非常に印象的に香りが記憶に残りました。
蟹とスパイスは全く異なる香りと思われますが、蟹自体の香りをスパイスが膨らませているような風味作りがとても面白かったです。
初手からよすぎです。
Mor Kuzhambu(Small)。
Morはバターミルクのことで、ヨーグルトのようなコクと酸味が特徴のお料理です。
今回は冬瓜を使っていて、独特の青い香りが鮮烈。
Morもかなり特徴的ではありますが、冬瓜が単に具としてだけではなく、料理を構成する要素として一役も二役も担っているように感じられました。
瓜なので「クセ」ともいうべき強めの風味がありますけど、味の調え方がお見事です。
Mutton Fry。
提供時に「脂が強いので残して大丈夫です」という趣旨の案内がありました。
マトンやその脂、コラーゲンが風味や旨み濃厚で抜群に美味しいのはもちろんですが、そこにガシッと絡んだソースが爆発的にウマくてビックリします。
何年か寝かせたり、精密な管理で発酵させたりして初めてたどり着けそうな深く重い旨みの塊が肉にまとわりついていて、1滴も逃すまいと骨も皿も念入りこそいでいただきました。
以前に比べると伺う頻度がとても少なくなってしまってもどかしい限りなのですが、圧倒的な味、世界観で「この店にいる自分が好き」と思えるお店なのでした。
うっとりしながら大満足で、ごちそう様でした!