気になっていたビストロのディナーへ。
メゾンサンカントサンク。
「サンカントサンク」は「55」の意味で、「惜しいな……」と思ってしまったのは余談。
お店は代々木上原で複数のお店を経営する会社の系列のようです。
ルタバガのスープ。
先日「i am…」さんで知った野菜に早くも再会できました。
https://www.lockandgo65.jp/entry/2022/03/24/060000
柚子皮と柚子の香りのオイルで仕上げてあります。
カリフラワーとかそちら系のぽってりしてなめらかなスープは、甘みがありつつ、大根などにあるようなちょっとした辛みのようなものも感じました。
柚子の香りとよく馴染む味わいです。
自家製のカンパーニュとフォカッチャ。
カンパーニュはソフトで穏やかな味わい、フォカッチャは比較的ギュッと詰まった重みのあるものでした。
どちらもソースを付けて食べたくなるタイプです。
寒ブリ フェンネル ソースヴェルジュ。
フェンネルはフレッシュをスライスにしたもの、ソースヴェルジュはオリーブオイル、レモン、ハーブなどを使った爽やかな風合い。
鰤は寒ブリと呼ぶには脂乗り控えめですが、さっぱりとしたソースと相乗効果でとても爽やかに口の中を酸味が駆け抜けます。
発酵クリームで少しコク。
サワラ ソースピストゥ。
魚料理は春らしい緑。
ピストゥはジェノベーゼに近いですが、松の実が入っていない点が異なるソースです。
そしてこのお皿ではバジルではなく菜の花を使っているそう。
サワラは味の旬こそ冬だとされますけど、漢字のつくりがやっぱりそれなので春のイメージがありますよねえ。
焦がした野菜と、ちょっと見えづらいですが奥にふきのとうのピューレ。
春の味満載の爽やかで旨みの深い1皿でした。
マグレ鴨 根セロリ。
お肉料理は色み鮮やかで、歯ごたえが楽しみになるカットのマグレ鴨。
ちょっとレバーにも似たじっとりとした肉質で、旨みが口いっぱい広く濃厚に広がります。
皮目の脂身はカリンカリンで、香ばしさが際立ちます。
野菜は蕪、からし菜、パースニップ。
こんがり焼き目に、ジュのソースがじんわり染み入って味わいを増幅させてあります。
フレジエとシャルトリューズ。
ハーブ系のリキュールのシャルトリューズをたっぷり染み込ませた生地に、クリームとマリネした苺。
マリネにもシャルトリューズを使っていたかもしれません。
フレジエというかババにも近いくらいシャバシャバにお酒が染みた生地は、爽快を超えて痛快な風味。
苺の甘い香りとシャープな味わいが心地よくて、見た目よりずっと軽いデセールでした。
というわけで、野菜やハーブの味の活かし方が秀逸で1皿ごとに目を奪われるようなコースでした。
早い時間に予約したこともあって、周りの席も埋まり切らずゆったり過ごすことができました。
ちょうどこういうお店を求めていた!みたいな機会がまたありそうだなと思いつつ、ごちそう様でした!