幡ヶ谷で気になっていたお店「will o' wisp(ウィルオウィスプ)」さんへ。
代々木八幡の人気店「PATH」さん出身のシェフのお店ということで知ったのですけど、よくよく調べるとパリの「パッサージュ53」「Sola」で働かれていた経歴もあるそうで期待が高まりました。
フランス料理を基本としながら、様々な国の手法を取り入れたお料理を提供されているとのこと。
ウフマヨ。
ビストロでよく見かける半熟卵にマヨネーズをかけただけよシンプルなお料理。
マヨネーズに一工夫あるようでこの日は「梅マヨ」でした。
マヨネーズのクリーム色にほんのり赤みが差しています。
梅の酸味はクエン酸、マヨネーズに含まれるビネガーの酸味は酢酸と種類が違うということで、重なるというよりはかなり距離のある風味が加わった印象があります。
卵黄のまったりとした味わいと合わせて、さっぱりした余韻として酸味を楽しむことができる1品でした。
シン・メンチカツ。
まるっとしたフォルムのメンチカツが小皿にちょこんと乗って登場。
下に敷かれているのは自家製のオーロラソースとのこと。
想像したよりもまろやかな味でとても食べやすかったのですけど、日本で一般的に使われるマヨネーズとケチャップを合わせたそれではなくて、ベシャメルソースにトマトを合わせた方のオーロラソースだったのかもしれません。
中にはチーズ入り。
牛肉はシェフの出身地である佐賀の白石牛をご使用ということでした。
ガシッと肉々しい塊にオーロラソースをなじませて口当たりよくしながらいただきました。
パテドカンパーニュ。
こちらもスタンダードなメニューが気になって注文。
赤キャベツの酢漬けとマスタードが添えられていました。
かなりギシギシと詰まった質感で、歯触りでは多めのピスタチオに気付かないほどですが、咀嚼し始めるとぽんっぽんっとナッティーな食感が現れてちょっと面白い食感になっていました。
奇をてらった特徴ではないものの、かなり印象的なパテカンでした。
燻製ダラのエチュベ ふきのとうとグリーンカレー。
ハーフサイズで出していただけました。
燻製ダラというのも然ることながら、ふきのとうとグリーンカレーという並びが気になったのですよね。
ミチミチに引き締まった身質で、鱈の旨みと甘み、香りが一体に馴染んで突き抜けたインパクトになっています。
上に乗っているプチヴェールの香ばしさと苦みも春っぽい感じ。
グリーンカレー。
ひと口なめると全身の感覚を支配するようなバイマックルーの強さ。
鱈も風味の強い食材だと思うのですけど、メイン料理のソースとしてチューニングされたグリーンカレーが少量でガラッとお皿の方向性を決定づけているようでした。
ふきのとうのディクセル。
バイマックルーの風味に勝てる食材ってなかなかないと思っていましたが、ここにふきのとうをぶつけてくるのがシェフのセンスというか、比較的自由に料理を捉えているこのお店の魅力のように感じました。
オーソドックスなメニューから創作的なお皿まで、全て印象に強く残るお店でした。
またすぐにでもお邪魔したいなと思いつつ、ごちそう様でした!