そろそろ秋刀魚は鱗を食い始める時期でしょうか。
肝が美味いことで定評のある高はしの秋刀魚、今年は一尾しかいただいていないので今のうちに食べておくことに。
みなさんとお話ししながら待っていたら、前から5番目でしたが幸運にも1周目に入ることができました。
先日から18入りの秋刀魚が出始めていた高はしですが、この日は20入り。
ちょっと残念でしたが、気持ちを切り替えて一品追加することに。
これを追加したわけではないですよ(笑)。
三代目が各席に配って回っていらっしゃいました。
どなたかからのお土産でしょうか、ちょっとミルキーな甘みのある胡麻団子でした。
ありがとうございます!
あなごやわらか煮。
高はしの名物の一つであるあなご丼に乗っているものです。
雑誌やテレビでこちらのお店が紹介されるときはあなご丼がクローズアップされることが多いので、初めてのお客さんの注文率も高いのですよね。
僕は高はしの穴子というと煮こごりと西京焼きはいただいたことがありますが、定番のこちらは初めて。
売れ残った穴子を翌日に出す「煮こごり」はいただいたので、何となくやわらか煮も似たようなものかと思っていたのですよね。
一口食べて、思わずのけ反ります!
うわ!何だコレ!
隣のソウさんに笑われるほど大きなリアクション(笑)。
煮こごりとは違いますね。
個人的には、お寿司屋さんで最後の一貫にスイーツ感覚でいただくこともある煮穴子。
こちらもイメージとしてはカラメルありのプリンのようなイメージかも。
それも最近流行りの「トロトロクリーミー」なクリーム主体のものではなく、昔ながらの固焼きを思わせる旨みとコクがありますし。
エアリーに繊維のほどけた身と厚みのある皮目裏のゼラチン質。
ちゃんと尻尾まで入って一本分。
どこをつついても、身も皮目も食感が抜群の仕上がり。
すごい!
そうこうしていると、真打ち登場。
新さんま塩焼き(1500円)。
普段は単品2000円ですが、18入りが出始めてからの20入りということでちょっとリーズナブル。
先日まで20入りが通常だったのですし、値引きしなくてもいい気もしますけど(笑)。
18入りではなかったからか、築地の秋刀魚に見慣れてきたからか分かりませんが、登場時の「サイズに対する驚き」は不思議とありませんでした。
いやあ、それにしてもいい焼き!
むむ、この拗ねた表情。
穴子に心が傾きかけていたからでしょうか。
黒いことで有名で、ネットを通じて目にする機会も多い逸品ですが、何度見ても想像の一段上をいく黒さです。
この脂が落ち切ったかに見える焦げ皮ですが、焼かれている最中は内から溢れ出る溢れ出る大量の脂にまみれ続けているわけですから揚げ物ような仕上がりです。
肝、そして肝周りの脂。
三代目が神経を集中させているのはここ。
ここを美味しくするために皮を「犠牲」にしているのだとか。
ポルチーニやトリュフを思わせるような、ほんのり甘みを伴った味わい。
力強さや鋭さもありますが、どこかしら秋らしさが漂います。
そして食感もしっかり。
内臓がこんなにしっかりしているとは、なかなかの健康体だったのでしょうね。
ちと太りすぎですけどね。
妙に感心してしまったのは尾びれ。
傷一つない整った形。
鋭さと柔らかさを併せ持った美しさがあります。
結局質の良い秋刀魚って、こういうところに出ますよね。
ああ、いいもの食べた♪