たかが10年、されど10年。
(本日は通い始めた頃の市場の写真とともにお送りします)
市場に通う趣味を始めてから10年が経とうとしています。朝ごはんを食べて、1週間の食材を買い込むだけではありますが、10年ほぼ欠かすことなく毎週末続けてきました。
「人は1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価している」という言葉があります。目先の結果ばかり求めてしまって、時間をかけて成功を得る道を避けているといった趣旨かと思います。
では僕は10年かけて何かを成し遂げられただろうか、何者かになれたのだろうか、と自らに問うと正直特に思い当たるところもなく微妙です。
ですが、です。
この10年を経てたどり着いたところとして、この度入籍をしたのでそのご報告でございます。
10年前はどうしようもない感じに過ごしていた時期でもあり、そこからとりあえずここまで来られましたということで、市場に限らず、こういった趣味の中で出会った皆さんにどんなに感謝してもしきれない思いです。
出会いがあれば別れもあって、仲違いをしたわけでもないのにこんなに容易く疎遠になってしまうことがあるのが大人の世界というものかといったことを教えてくれたのも市場でした。
あんなにお世話になったのに今会おうと思っても連絡先さえ知らないや、というような方のお顔が夥しく浮かびます。
そんなみなさんにもご報告と、感謝の気持ちが届けばという一心で本日は筆を執っている次第です。
と言っても、お相手が市場関係の方というわけでは全然ないのですが、この10年を振り返ればあらゆる縁、あらゆる出来事が市場なしには語れない日々だったように思います。
この出会いもよくよく考えてみれば、あの出会いがなければ到底ありえず、そういう意味ではあの出会いも……と辿っていくと必ず最後は、びゅんびゅん駆け抜けるターレのわきを歩き回った日々に行き着きます。
お相手は特段朝が強いわけでもないし、食べ歩きが趣味ということでもなくて、今後も基本的に市場通いを含め外食は1人ですることが多くなりそうです。
「男1人じゃ行きにくそうな可愛いカフェ」も相変わらず大体1人で行っていますウケる。
この10年は市場に、そして食に全振りしてきた人生だったので、そことかすりもしない相手との縁に恵まれたのは不思議といえばとても不思議な思いです。
それでもそんなマイペースな僕が土曜の朝に突然起こしてプロポーズをしてもOKしてくれて、そのまま豊洲市場に出かけていくのを笑顔で送り出してくれる素敵な女性なのでした。
結納の朝にも市場でベトナム産フルーツ「竜眼」を買って帰ってきて「これは珍しいんだよ!」と嬉々として熱弁する僕に呆れもせず、一緒に「美味しいね」と食べてくれる女性です。呆れてはいたかもしれません。
婚姻届を仕上げがてら、可愛いな!と買ってきた花があったのでちょうどいいと思って添えて写真を撮りましたが、後で調べたら花の名前は「ホワイトガーリック」。花言葉が「深い悲しみ」でした。なんでや。
というわけで今後とも美味しいものを食べて写真を撮って振り返るだけの日記を細々と続けていく所存ですが、本日は浮かれてのぼせてのブログ更新でした。こんな話なので勘弁してください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。