早いもので2022年も大みそかです。
その年初訪問したお店の中で印象に残ったところをまとめて紹介している、誰も待っていない恒例企画の時間です。ここまで定型文。
個人的なことで今年を振り返ると、6年ほど住んだ北千住を引っ越しで離れるなど、結構変化の大きかった1年でした。
食べ歩きの方にも少なからず影響があってこれまで通りの通い方ができなくなったところもあったのですけど、 却ってそのおかげで初訪問のお店が多くなった面もあった年でした。
前書きは短めに、いざ!
パヴォーネ・インディアーノ@幡ヶ谷
イタリア料理とインド料理をフュージョンさせた創作料理を提供しているお店。
食材の組み合わせは斬新なようでいて、伝統的な料理を踏まえているなどして、どれも納得感のある美味しさが印象的でした。
食材のこだわりが詰まった前菜盛り合わせと、ポークビンダルーのパテが特にツボ。
初訪問きり伺えていませんが、実は何度か挑戦しているものの予約満席で撃沈しているのですよね。
メニューも頻繁に変わっていらっしゃるようなので、またよきタイミングでお邪魔できれば幸いです。
アヒルストア@代々木公園
随分前から知っていたお店でしたが、今年ようやく初訪問できました。
ワインバーなので、以前はワインを飲まないお客さんは入れなかったのではないかと思うのですけど、コロナ禍を機にお酒を飲めないお客さんにも門戸を開かれたと聞きつけたのですよね。
恐る恐る伺いましたが、無事にソフトドリンクでも楽しむことができて、お料理はもちろん"かっちょいい"接客も「また来たい」と思わせる魅力がありました。
店主さんが立石の「宇ち多゙」さんへのリスペクトをSNSに綴っていらっしゃったのですけど、まさにそういうイズムを感じるお店だったなあと後から妙に納得させられました。
人気料理のフムスが最も印象に残りましたが、メニューを眺めているだけでも幸せな気分になれる魅力的なラインナップでした。
キッチンかねじょう@幡ヶ谷
幡ヶ谷に来たときにお店の前を通りかかったことが何度かあって、週末にモーニング営業をなさっているのは存じ上げていましたが、こちらも初訪問できました。
店主さんは先に挙げた「アヒルストア」さんや、スパイスカレーのお店で働かれていた経験があるそうで、作るお料理にそのDNAがギラギラと輝いていました。
個人的にはそれ以上に、鹿児島出身の方ということで、食材選びなどにちらちら見え隠れするところに惹かれるところがあって何度か通ってしまっています。
色んなメニューが出てきますが、定番で出てくるジャスミンピラフの香りに胃袋を掴まれています。
いつものプレートモーニングではない変わり種メニューを出される朝もあるようなので、また狙ってお邪魔できればと思っております。
ル・リュタン@駒込
コロナ禍に閉店したフランス料理の老舗「クレッセント」のシェフが再スタートを切ったお店。
もともとあった「ル・リュタン」さんにシェフとして就任する形でお店自体リニューアルされたようです。
「クレッセント」自体伺ったことはなくて、お料理も存じ上げてはいないのですけど、ひとつひとつの調理工程に感じる重みのようなものが感じられるお皿ばかりでした。
こぢんまりしたハコでおひとりで調理するという環境になって、より一層その腕と蓄積された経験が露骨に発揮されているような気がします。
最初のコンソメにまずガツンとやられて、スペシャリテとデセールの手の込みようは感動ものでした。
クラシックなフランス料理がお好きな方には強くおすすめしたいお店でした。
ほうせき箱@奈良
今年はかき氷のジャンルでも初訪問のお店が多かったのですけど、中でも最も楽しくいただけたのは奈良の「ほうせき箱」さんでした。
見た目の派手なかき氷が多くて、ちょっと好みとズレるかな…という懸念もあったのですけど、いただいてみるとどれも素材の風味を活かした甘みの調整がなされていて、何よりも口どけの穏やかな氷の削りぶりでサラサラといただけたのですよね。
ぜひまた伺って色んなメニューを楽しみたいと思わされるお店で、人気の理由が分かった気がしました。
火裏蓮花@京都
かき氷ジャンルでもう1店挙げたいのは、同じ旅行中に訪問した京都の「火裏蓮花」さん。
「センスのよさそうなカフェだな」くらいの気持ちで伺ったのですけど、内側の氷まで全体がしっとりした質感、酵素発酵して使った柑橘シロップの深みがかき氷で感じたことのないインパクトのある完成度で、今年いただいたかき氷の中では断トツで印象に残った1杯でした。
コーヒーカウンターニシヤ@浅草
渋谷で連日行列の大人気を博していた「コーヒーハウス ニシヤ」が昨年12月に閉店して、その店主さんが今年浅草の地でオープンさせた新店がこちら。
メニューは基本的に前店を踏襲していらっしゃいますが、何よりも大きな違いは店主さんと会話ができること。
カウンター1枚を挟んだ向こうでドリンクを作るかっこいい所作を見せつけられて、まさにその人と会話することができるのだから客としてはこの上なく興奮できる場所なのですよねえ。
甘いものは甘く、苦いものは苦く活かしながらバランスのいい味に仕上げるドリンクは、どれもそもそもその1杯のためにお客さんを惹きつける力のあるものばかりですが、店主さんという人間が間違いなく最大のコンテンツになっているお店だなあと思うのです。
珈琲笠間@吉祥寺
ツイッターでフォローさせていただいている方がよく訪問されていて気になっていたお店。
ネルが福岡の「珈琲美美」さんのものだったりして(形が特徴的で分かりやすい)、その時点でこれは絶対好みの系統だなと自信を持てたけど、店主さんに好きなお店を伺ったら広島のお店の名前が挙がったのでいつか行ってみたいと思いました。
濃さを変えて複数メニューを用意されているのですけど、分け方が独特で「粋」「充」「風」というネーミングも素敵。
全て卵・乳製品不使用でグルテンフリーだというお菓子もどれも魅力的で好みにどんぴしゃにハマったのですよね。
持つべきものは友だちと、自分と好みの合うSNSアカウントだなと改めて認識した出来事でした。
バンカム都留@都留
山梨に行く用事があって、大きめに時間が空いたので行ってみたコーヒー屋さん。
食器棚に銀座「ランブル」のデミタスカップをみつけてそわそわしていたら、店主さんに気付いていただいてコーヒー談義をすることができて、すっかりコーヒーオタクっぷりを発揮してしまうことになりました。
店主さんは焙煎を理系的に分析されていて、お店としては「珈琲美美」さんを強くリスペクトしていらっしゃるようでした。
1杯だけでは到底足りないと感じたお店でした。また行きたい。
珈琲美美@赤坂
すでにこの記事の中で2回名前が出てきたお店。
僕自身、「蕪木」さんや「猫廼舎」さんの店主さんがリスペクトするお店として随分昔から認識していましたが、ようやく念願叶って訪問することができました。
コーヒーやその焙煎が素晴らしいのは言わずもがなですが、お店作りや接客の感じまでやわらかな自然体でとても心地よかったです。
多くの珈琲人を惹きつける理由に触れることができた気がします。
また行きたい。通いたい。
王田珈琲専門店@京都
こちらも随分昔からSNSで拝見して気になっていたお店にようやく訪問できました。
このお店の常連さんという方とお話した際に、「SNSの投稿内容が過激だったり怖そうだったりするけど、コーヒーは本当に美味しい」と伺っていてずっと来てみたいと思っていたのですよね。
85gの豆を使って50mlを抽出するデミタスなど、狂気をはらんだメニューにはなっていますが、「狂気」はコーヒーの名店にありがちな要素ではあるのでむしろ期待は高まりました。
通常のドリップコーヒーでさえ豆を35g使っていてそもそもが物理的にはかなり濃いコーヒーなのですけど、重さや舌疲れする感じはまったくなく、焙煎やブレンドが生む繊細なバランスに基づいたいい味わいのコーヒーでした。
店主さんの接客は確かに力強さみたいなものは感じましたが、コーヒーへの熱量も伝わってきて、何度もお邪魔しながらさらに色んなお話を聞いてみたくなりました。
チェスト船堀@船堀
「パーラー江古田」さん出身の方が開いたお店。
パンの種類はそれほど多くないのですけど、国産小麦を使い分けて生地で味わわせるパンを作っていらっしゃいます。
みずみずしいレーズンの入ったパンが特にお気に入りだったほか、小麦粉違いのバゲット食べ比べが楽しかったです。
パンと焼き菓子と朝 steppin'@幡ヶ谷
幡ヶ谷に新たにオープンしたパンと焼き菓子のお店は、出身店が読めない商品ラインナップでしたが、六本木「ラトリエデュパン」さんにいらした方なのだとか。
くるみがゴリゴリのエンガディナー、クロワッサンが特によかったです。
コンビニエンスストア髙橋@練馬春日町
こちらも「パーラー江古田」さん出身の方のお店。
ファラフェルとフムスの乗ったプレートに惹かれて伺いましたが、とにかくパンが美味しかったのが印象的でした。お煎餅みたいな香ばしさが強いです。
生活用品も含め、いいものが色々買える「コンビニエンスストア」で、定期的に通いたくなりました。
Cyōdo@幡ヶ谷
代々木公園のParkerに入っていたお店が幡ヶ谷に移転して再スタート。
ご夫婦ともに得意分野のお料理で腕を奮って、ワインバーとして、カフェとして誰にとっても「ちょうどいい」存在になるお店です。
お料理1品、デザート1品、ドリンク1杯をいただくのが僕にとっての「ちょうどいい」でした。
Cafe Rojean@池ノ上
お姉さんと弟さんで切り盛りされているお店で、米国・カンザス州に住むグランマ(おばあさん)の料理を再現したメニューを揃えていらっしゃいます。
食べたことないのに懐かしい気持ちになるアメリカ版おばあちゃんの味にほっこりさせられました。
新メニューも多くて、情報をチェックしているだけで楽しくなります。
枯淡@桜坂
新富町の「鮨はしもと」さんでオープン時からお店を支えていた方が、地元福岡に戻って始めたお店です。
1貫目が小肌じゃなくて鰯でしたが、新子のシーズンでいいものを揃えるのが難しかったからだそう。
福岡でしっかり固定客が付いていて、一時代を築きそうなオーラみたいなものを感じました。
全部美味しかったです。
SAPPADU READY@吉祥寺
ムードのあるカフェのような店内でいただく本格南インド料理。
店主さんは「エリックサウス」さん出身で、優しそうに見えてエッジの立ったカレーをいただくことができました。
デザートのプリンを含めて盛り付けまでこだわりの感じられる、丁寧で品のあるお店でした。
ふく助@河口湖
今年は山梨に行く機会が増えたので、吉田のうどんをちょこちょこいただいたのですけど、中でも好みにハマったのがこちらでした。
上品なお出汁と、旨みを重視した仕上がりのお肉。
お店ごとの違いを楽しみつつ、新年もあれこれいただいてみたいです。
というわけで今年は新店訪問が多く、おかげさまで当たりばかり引くことができたので、本当はここに挙げた倍以上書きたかったのですけど、とりあえずこの辺りにしておきます。
最後に、選びきれなかったお店の写真をエンドロールとして並べますのでよろしければご覧ください。本当はもっとありますがご容赦を!
1年また楽しく食べ歩きを続けることができました。
関わってくださったすべてのみなさんと、ブログを読んでくださったすべてのみなさんに感謝しつつ、年末年始に何を食べようか考えを巡らせて移動中の車中におりますのでこの辺で。
それではみなさま、本年も大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします!よいお年を〜
メゾンサンカントサンク@代々木上原
鮨美幸@新富町
とら屋食堂@西荻窪
CAFE RHYTHM@南柏
喫茶いずみ@船橋
時にかさ@世田谷代田
喫茶こくん@清澄白河
ル・スフレ@参宮橋
RAW SUGAR ROAST@経堂
bouquet@馬喰横山
シガニーベイク&コーヒー@代々木上原
itoma morning & night@高円寺
喫茶ベレー@戸越銀座
あずきとこおり@代々木